コラム
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 「瀬戸際」。急速な拡大か終息か、政府の専門家会議が警鐘を鳴らしてから1カ月。新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配がないどころか「オーバーシュート」(爆発的患者急増)の恐れという表現まで出てきた▼水際対策は進めているだろうに、封じ込めとはいかに難しものか。ライブハウスでのクラスター発生をはじめ、ここ数日で海外からの帰国者に感染が目立つように▼その最中、八戸市で青森県内初の感染者が2人確認された。1人はスペイン旅行に参加していた。市民の不安は大きく、動揺が広がる。感染拡大を食い止めるには防止策の周知徹底と、できる限りの情報開示が重要だ▼ここにきて、パンデミック(世界的大流行)が加速しているという。東京都では小池百合子知事がこのままでは「ロックダウン」(都市封鎖)を取らざるを得なくなるとさえ警告。都民に再度の引き締めを訴えた▼長引く自粛と経済の冷え込みから、世界中で人々の疲労感が募っている。反動から思い切って気分転換したくもなるだろう。ただし、こういう状況下だからこそ、冷静な判断が必要になる▼「自分は大丈夫」と思っていても、周りを危険に巻き込む場合もある。油断がウイルスの動きを自由にさせかねない。注意するのはもう一つ。感染者の発生を問題視してパニックにならず、自分で防止に努める方が大事。拡散を防ぐことにつながる。