天鐘(2月27日)

青森県内の県立高校入試は3月10日。本番まで2週間を切った。受験生はウイルスに気をもみつつ、追い込みに励んでいるだろう。この時期よく目にするのが「試験に出る◯◯」だ。そんな故事成語の一つが「朝三暮四」▼サルに与える餌を節約するため、飼い主が.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 青森県内の県立高校入試は3月10日。本番まで2週間を切った。受験生はウイルスに気をもみつつ、追い込みに励んでいるだろう。この時期よく目にするのが「試験に出る◯◯」だ。そんな故事成語の一つが「朝三暮四」▼サルに与える餌を節約するため、飼い主がトチの実を朝3個・夕4個にしようとした。サルは少ないと激怒したが、朝4個・夕3個にすると言われ、一転して大喜びするという寓話に由来する▼トチが同じ7個なのに言葉巧みに化かす。朝食が増えたことに我を忘れて歓喜する。飼い主とサルの双方の立場から、うまく丸め込む、目先の利益にとらわれて大局を見失う―といった意味がある▼国会の与野党攻防の焦点は「桜」「コロナ」、そして「人事」である。いわゆる共謀罪法などに深く関わり、“官邸の代理人”と揶揄される東京高検検事長。荒技を使った定年延長の先には、論功として検察トップの椅子があるらしい▼違法性を指摘され、突如として法解釈の変更を持ち出した首相。過去の政府見解との矛盾、決裁の正当性を問われ、法相や事務方の答弁は変転する。つじつま合わせが苦しい、かなりの無理筋である▼霞が関の人事を仕切って、にらみを利かせる。より独立性が求められる検察組織への介入は、現政権の実態の極みと言えよう。朝三暮四を狙っているのか。ここまで露骨だと、だまされる国民はいない。