天鐘(2月13日)

フランス皇帝といえばナポレオン・ボナパルト。民政の対極にある軍政を敷きつつ、自由・平等・友愛を謳(うた)う「ナポレオン法典」を公布。絶対王政を解体し、近代国家の礎を築いた英雄として語り継がれる▼フランス革命後の混沌(こんとん)とした社会にあ.....
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 フランス皇帝といえばナポレオン・ボナパルト。民政の対極にある軍政を敷きつつ、自由・平等・友愛を謳(うた)う「ナポレオン法典」を公布。絶対王政を解体し、近代国家の礎を築いた英雄として語り継がれる▼フランス革命後の混沌(こんとん)とした社会にあって、軍才を発揮して台頭。雇われの傭兵が中心だった時代に、士気の高い志願兵らを率いて功を成した。破竹の勢いで連戦連勝。一時は欧州の大半を支配下に置いた▼「われにショコラありせば他の食を断つのも可なり」。遠征の兵糧としてチョコレートを用意させたとする逸話が残る。天賦の軍人は甘党? 奮闘する兵士の疲労回復が目的だったらしい▼主原料のカカオは苦い。原産地の米大陸では神聖な食べ物として珍重された。「良薬口に苦し」のごとく、すりつぶして唐辛子やトウモロコシの粉などと混ぜて飲んだ。砂糖やミルクを加えるようになったのは欧州に伝わった後である▼ダイエットの天敵と見る向きもあるが、適度に食べれば健康への効果が期待できるという。カカオは病気の元凶・活性酸素を抑える抗酸化物質のポリフェノールを含む。ちまたでは「機能性チョコ」が百花繚乱(りょうらん)である▼14日はバレンタインデー。本命、義理、友、家族…。贈る人、もらう人をつなぐチョコが持つ意味は多様化している。想いに違いがあっても、そこには心が介在する。口にすると、やっぱり甘い。