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「プツプツ」というもろみの発酵音、さきいかを裁断する「カシャンカシャン」という機械音、「チャプチャプ」と漁船が波に揺れる音…。そんな青森県内の農林水産に関わる「音」がインターネット上で公開されている。音の収集を担当したのは2005年に解散した県出身4人組ロックバンド「SUPERCAR(スーパーカー)」のメンバー、ナカコーさん(十和田市出身)。農山漁村のイメージアップを図る県の企画に協力した。取材に対し、「音というものに意識して楽しんでもらえたらうれしい」とコメントを寄せた。[br][br] 企画は19年度の事業で、県農林水産部の若手職員が中心となって取り組んだ。「これまでにない話題性のある方法で魅力を発信しよう」とアイデアを出し合う中、そしゃく音やたき火の音など、心地よさを感じさせる音源や動画「ASMR」が若者の間でブームになっていることに着目。「音」の活用に乗り出した。[br][br] 音源化は、企業固有の音を資源として活用するレーベル「SOUNDS GOOD」を運営する「quantum」(東京)と連携して実施した。県内外の幅広い世代に興味を持ってもらおうと、現在はアーティストとして活躍するナカコーさんに協力を要請。ナカコーさんは八戸市の八食センターや八戸酒造、七戸町の県営農大学校などで集音した。[br][br] 音源は昨年10月、都内で行った展示会で公開。その後、ネットで14本(各1~2分)を配信し、ナカコーさんが音源を活用して作成した楽曲のミュージックビデオも公開された。[br][br] 企画チームのまとめ役を務めた総合販売戦略課の松坂彩佳技師は「青森県や農林水産業と接点のなかった人とコミュニケーションが図れた」と手応えを語った。八食センターの環境音を機材で録音するナカコーさん=2019年12月、八戸(quantum提供)