【プルトニウム利用計画】核燃サイクルなお“いばらの道”

電気事業連合会が26日にも公表する新たなプルトニウム利用計画。電力各社の年間利用目安量を合計すると約7・1~7・7トンとなり、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)がフル稼働した際の製造量(約6・6トン)を上回る。ただ、各原発の状況を見ると、.....
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 電気事業連合会が26日にも公表する新たなプルトニウム利用計画。電力各社の年間利用目安量を合計すると約7・1~7・7トンとなり、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)がフル稼働した際の製造量(約6・6トン)を上回る。ただ、各原発の状況を見ると、計画通りの再稼働は見通せず、核燃料サイクルは“いばらの道”が続く。[br][br] 日本は海外に再処理を委託した分を含め、40トン以上のプルトニウムを保有する。プルトニウムは核兵器の原料にもなり得るため、国際社会から削減を迫られている。[br][br] 今回の計画で、具体的な号機が示されていない東京電力ホールディングスと関西電力大飯原発(福井県)以外の導入原発は12基ある。再稼働の4基以外は、新規制基準の審査に合格したのが1基、審査中が5基、審査未申請が2基。再稼働に向けた動きは進展しているように見える。[br][br] だが、最も多い約1・7トンのプルトニウムを消費できる電源開発大間原発(大間町)は昨年9月に運転開始時期を26年度ごろから28年度ごろに先送りした。安全対策工事開始は22年後半とされるが審査は序盤の域を出ておらず、さらに延期する可能性もある。[br][br] その他の原発も順調に稼働するかは未知数。審査に合格した日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)は、再稼働の地元同意が必要となる自治体に人口の多い水戸市など周辺5市が含まれるため、再稼働のハードルは他の原発に比べ高い。[br][br] 審査中の日本原電敦賀原発2号機(福井県)は施設直下に活断層が存在する可能性が指摘されており、存在すると判断されれば再稼働は不可能になる。[br][br] これらの原発の再稼働が滞れば、今回の計画も「16~18基」を導入目標とした前回計画同様、絵に描いた餅となりかねない。日本のプルトニウム保有量に対する国際的な懸念の払拭につながるとは言い難い。