使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを原発で再利用するプルサーマル発電について、電気事業連合会が、導入する原発をまとめた新たな「プルトニウム利用計画」の概要が25日、関係者への取材で分かった。26日にも公表する。新計画では、六ケ所村の再処理工場でプルトニウムの取り出しが始まっても、電力各社全体の保有量は低減していくとの見通しを示している。ただ、現時点で再稼働した導入原発は4基のみで、実現は不透明な状況だ。[br][br] 計画の改定は2010年9月以来。電事連は20年12月に「16~18基」としてきたプルサーマルの導入目標を「30年度までに少なくとも12基」に修正していた。 導入する原発に関して大きな変更があったのは東京電力ホールディングス(HD)。10年の計画で「福島第1原発3号機を含む3~4基」としていたが、今回は「いずれかの原子炉」として明確な数値目標を示さなかった。[br][br] 計画では、21~23年度のプルトニウムに関する電力各社の保有量と利用量の推移も提示。保有量合計は21年度41・5トン、22年度40・8トン、23年度40・0トン。利用量合計は21年度0・2トン、22年度0・7トン、23年度1・4トン。[br][br] それ以降の利用量については、24年度0・7トン、25年度1・4~2・8トンと記載。26~30年度は「~約6・6トン」とし、再処理工場がフル稼働した場合に回収されるプルトニウムと同等量まで「年間利用量を段階的に引き上げていく」と説明している。