【森友問題の決裁文書改ざん】「赤木ファイル」国側が存在認める 6月提出へ、確認に1年以上

 「赤木ファイル」の存在を国側が認めた意見書を手に取材に応じる赤木雅子さん=6日午後、大阪市
 「赤木ファイル」の存在を国側が認めた意見書を手に取材に応じる赤木雅子さん=6日午後、大阪市
森友学園への国有地売却に関する決裁文書の改ざんを強いられ、財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が2018年に自殺に追い込まれたとして、妻雅子さん(50)が国側に損害賠償を求めた訴訟で、国側は6日、赤木さんが改ざんの過程をまと.....
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 森友学園への国有地売却に関する決裁文書の改ざんを強いられ、財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が2018年に自殺に追い込まれたとして、妻雅子さん(50)が国側に損害賠償を求めた訴訟で、国側は6日、赤木さんが改ざんの過程をまとめた文書「赤木ファイル」が存在していると初めて認める意見書を雅子さん側に出した。6月23日の大阪地裁での第4回口頭弁論で提出する予定。[br][br] 国側が存在を認めたのは、改ざんが時系列にまとめられた文書や、財務省理財局と近畿財務局との間で送受信されたメールやその添付資料など。雅子さん側は20年3月に提訴した際、ファイルの証拠提出を求めており、存在の確認に1年以上も要した国の姿勢が問われる。今後、どの範囲が開示されるかが焦点となる。[br][br] 国側は意見書で、ファイルは赤木さんが個人的に作成したもので、職務上の行政文書ではないと説明。黒塗りなどのマスキングをするが、その範囲は「裁判所の訴訟指揮に真摯(しんし)に対応するという観点から、できる限り狭いものとする」とした。[br][br] マスキングの理由は第三者の個人情報が含まれており、森友問題が引き続き報道されるとして「改ざんに関与したと認定されていない職員らに取材が殺到し、私生活の平穏が脅かされる恐れがある」ためだと主張した。[br][br] 雅子さんは6日、喜びを語る一方で「マスキングなしで全てを明らかにしてほしい」と訴えた。[br][br] ファイルを巡っては地裁が今月6日までに存否を回答するよう提案していた。財務省幹部は「原告の求めが抽象的だった。文書の特定に時間がかかった」と釈明した。[br][br] 訴訟で国側は当初は「存否を答える必要はない」とし、時間がかかる理由に(1)対象の文書量が著しく膨大(2)新型コロナウイルス禍で業務態勢を縮小―を挙げ、今年3月の訴訟手続きでも「探索中」としていた。国会では麻生太郎財務相が「訴訟外で答えるのは差し控える」と答弁していた。[br][br] 財務省が18年6月に公表した調査報告書によると、理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官(63)が改ざんの方向性を決定づけ、理財局幹部らが安倍昭恵前首相夫人の記述を削除するなどした。 「赤木ファイル」の存在を国側が認めた意見書を手に取材に応じる赤木雅子さん=6日午後、大阪市