河井元法相に懲役4年求刑/参院選広島選挙区の買収事件

 論告求刑公判に臨む河井克行元法相(イラスト・勝山展年)
 論告求刑公判に臨む河井克行元法相(イラスト・勝山展年)
2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた元法相の前衆院議員河井克行被告(58)の論告求刑公判が30日、東京地裁(高橋康明裁判長)で開かれ、検察側は「元法相が選挙の最終責任者だった。前代未聞の大規.....
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 2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた元法相の前衆院議員河井克行被告(58)の論告求刑公判が30日、東京地裁(高橋康明裁判長)で開かれ、検察側は「元法相が選挙の最終責任者だった。前代未聞の大規模買収だ」と主張し、懲役4年、追徴金150万円を求刑した。[br][br] 元法相は妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=の当選を目指し、100人に計約2900万円を配ったとして起訴された。検察側は論告で、案里氏の遊説なども差配しており「元法相が当選に向けた活動全般を取り仕切った」と指摘。一部の現金供与について「夫妻が意を通じていた」とし、案里氏との共謀があったと主張した。[br][br] 元法相は当初、無罪を主張したが、今年3月の被告人質問で一転して「妻の当選を得たい気持ちがなかったとは言えない」と説明。90人への現金配布は買収だったと認め、議員辞職した。[br][br] 検察側は、元法相が買収を否定した現金配布に関しても、受領者側が認めているなどとして「元法相の主張は虚偽だ」とした。[br][br] 論告に先立ち、弁護側は元法相が受け取った歳費の一部に相当する700万円を財団法人に寄付したと明らかにした。[br][br] 公判では地元議員らの多くが「違法な金」などと証言した。地裁は1月、案里氏の判決で、元法相が事件を主導したと認定。案里氏が一部で共謀したとして、執行猶予付き有罪を言い渡した。[br][br] 自民党本部は広島選挙区で2議席獲得を狙い、当時の現職候補に加えて案里氏を擁立。夫妻側に1億5千万円を投入し、官房長官だった菅義偉首相らが全面支援した。公判は5月18日に弁護側が最終弁論して結審し、判決は6月以降に言い渡される見通しだ。 論告求刑公判に臨む河井克行元法相(イラスト・勝山展年)