八工大と市民病院に文科相表彰 ドクターカーV3共同開発、地方発の「医工連携」

受賞報告をする(左から)今明秀院長、浅川拓克准教授、坂本禎智学長=27日、八戸工業大
受賞報告をする(左から)今明秀院長、浅川拓克准教授、坂本禎智学長=27日、八戸工業大
八戸工業大と八戸市立市民病院が共同で開発した移動型緊急手術室「ドクターカーV3」の取り組みが、科学技術の向上に尽力した功労者に贈られる文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞した。27日は同大で、開発に携わった浅川拓克准教授や今明秀院.....
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 八戸工業大と八戸市立市民病院が共同で開発した移動型緊急手術室「ドクターカーV3」の取り組みが、科学技術の向上に尽力した功労者に贈られる文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞した。27日は同大で、開発に携わった浅川拓克准教授や今明秀院長らが会見。「地方でも医工連携の取り組みを実現でき、全国的に評価されたことは大きな励み」などと喜びを語り、地域医療のさらなる発展に意欲を見せた。[br][br] ドクターカーV3は人工心肺補助装置などの医療機器を搭載し、病院から遠く離れた出動先において、心肺停止状態となった患者の蘇生処置など高度な治療を可能にした。2016年の運用開始以降、21年3月現在で19件の出動実績があり、そのうち2人が社会復帰を果たしている。[br][br] 受賞発表は今月6日付で、医師不足やへき地医療など地域医療が抱える多くの課題の克服と、救命率向上につなげたことが高く評価された。[br][br] 浅川准教授は「救命はもちろん、若い医師が憧れるような取り組みをしたいという思いで開発を進めてきた」と強調。「移動型緊急手術室はさまざま課題がある地方だからこそ生まれた発想で、『地方でもこれだけのことができる』ということを発信していきたい」と医工連携の推進へ意気込みを語った。[br][br] 今院長は、救急隊員や同病院救命救急センターの医療従事者らに感謝した上で、「工業大学や地元企業との連携によって良い結果を示すことができた。医療や工業の分野に進む若者が増え、いい未来につながってほしい」と期待を込めた。受賞報告をする(左から)今明秀院長、浅川拓克准教授、坂本禎智学長=27日、八戸工業大