愛する人と家族になりたい 原告のカップル「大きな一歩」

 食事をする原告の国見亮佑さん(右)とたかしさん(いずれも仮名)=2月、北海道帯広市
 食事をする原告の国見亮佑さん(右)とたかしさん(いずれも仮名)=2月、北海道帯広市
ただ、好きな人と当たり前に家族と認められたい―。その思いを司法が後押しした。同性カップルの結婚を認めないのは違憲だとした札幌地裁の17日の判決。原告のカップル3組のうちの1組国見亮佑さんとたかしさん=いずれも40代、仮名=は同性婚実現に向け.....
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 ただ、好きな人と当たり前に家族と認められたい―。その思いを司法が後押しした。同性カップルの結婚を認めないのは違憲だとした札幌地裁の17日の判決。原告のカップル3組のうちの1組国見亮佑さんとたかしさん=いずれも40代、仮名=は同性婚実現に向けて「大きな一歩」と喜びをかみしめた。[br][br] 2人の出会いは約20年前の秋、待ち合わせた札幌市中心部の商業施設。LGBTへの理解を広める活動をしていた国見さんに、ファンだったたかしさんが「会いませんか」と連絡を取ったことがきっかけだった。2人とも歌手の矢野顕子さんが好きだったこともあり、すぐに意気投合。2年後には同居を始め、今は北海道帯広市のアパートで暮らす。[br][br] 国見さんが公立学校での勤務を終えて帰宅すると料理好きで会社員のたかしさんが腕を振るう。「彼の作るご飯はうまいんです」。2人で買い物や旅行にも行くし、時には口げんかだってする。「一言で言えば家族。異性カップルと変わらない」とたかしさん。たかしさんの50代の姉も「2人の生活は夫婦同様。世間にそう言えないだけ」と話す。[br][br] 「特別なことを求めているわけじゃない。なぜ平等に結婚できないのか」。強い疑問を抱いていた2人に弁護団から提訴の打診があり、二つ返事で承諾。国見さんは意見陳述で「結婚ができるようになれば、社会の一員として多くの人々から認められ、差別や偏見も減っていくのでは」と訴えた。[br][br] 待ち望んでいた違憲判決は、原告だけでなく、結婚の自由を求める全ての性的少数者に希望を与えた。だが裁判は今後も続き、同性婚の法制化までの道のりはまだ長い。全国一斉提訴から既に2年。その間、東京地裁の原告の1人が亡くなり、パートナーが後に残された。[br][br] たかしさんは「生きている間に法制化されないかも」との不安もある。「そうだとしても、後に続く世代の同じ悩みを抱える人たちが、誇りを持って生きていける社会にしたい」。2人はこれからも手を取り合い、共に闘う。 食事をする原告の国見亮佑さん(右)とたかしさん(いずれも仮名)=2月、北海道帯広市