同性婚認めないのは違憲/札幌地裁初判断

 同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前、札幌市
 同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前、札幌市
同性婚が認められていないのは憲法違反だとして、北海道の同性カップル3組が国に1人100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は17日、法の下の平等を定めた憲法14条に反すると、初の「違憲」判断を示した。国の立法不作為までは認めず、賠償.....
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 同性婚が認められていないのは憲法違反だとして、北海道の同性カップル3組が国に1人100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は17日、法の下の平等を定めた憲法14条に反すると、初の「違憲」判断を示した。国の立法不作為までは認めず、賠償請求は棄却した。全国5地裁で争われている同種訴訟で判決は初めて。性的少数者の権利保護の意識が高まる中、同性婚導入を巡る議論に影響しそうだ。[br][br] 原告側弁護団は札幌市で記者会見し「画期的な判決だ」と評価しつつ、控訴する方針を示した。[br][br] 武部知子裁判長は判決理由で「性的指向は自らの意思にかかわらず決定される個人の性質で、性別や人種と同様だ」と指摘。婚姻によって生じる、身分関係などの法的効果を受けることは重要な利益だが、同性カップルに対しては「一部ですら、これを享受する法的手段を提供していない」とし、婚姻や家族の制度について国会に幅広い裁量権があることを考慮しても、不合理な差別に当たると判断した。[br][br] 一方で、同性婚を可能とする立法措置を怠ったとの原告側の主張については「国会が違憲性を直ちに認識することは容易ではなかった」として退けた。同性婚を巡る国内外の取り組みが進んだ時期や、日本で肯定的な意見が多数になったのが比較的近年だったことを考慮した。[br][br] さらに「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するとの憲法24条は「異性間の結婚を定めたもので、同性婚については定めていない」と指摘した。[br][br] 原告は男性カップル2組と女性カップル1組で、いずれも2019年1月に婚姻届を提出したが、不適法として受理されず同2月に提訴した。[br][br] 国側は、民法上の婚姻制度で「夫婦」という用語が使われ、当事者が「男女」であることが前提との法解釈をしている。訴訟では、夫婦が子どもを産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的があり、同性婚を認めていないことは「国会の立法裁量の範囲内だ」と反論していた。 同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前、札幌市