【宮城、福島で震度6】M7・3、揺れ広範囲に/震災10年でも活動活発

宮城、福島両県で最大震度6強を観測した13日の地震は地震の規模を示すマグニチュード(M)が7・3に達し、東北を中心に北海道から東・西日本にかけての広い範囲が揺れに襲われた。大きな津波は起きなかったが、東日本大震災から約10年がたっても東北の.....
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 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した13日の地震は地震の規模を示すマグニチュード(M)が7・3に達し、東北を中心に北海道から東・西日本にかけての広い範囲が揺れに襲われた。大きな津波は起きなかったが、東日本大震災から約10年がたっても東北の太平洋沖では地震活動が活発であることを強く印象づけた。[br] 地震は地下で発生する岩盤の「ずれ」が原因だが、タイプが分かれる。東日本大震災は「プレート境界型地震」だった。陸側のプレートが海側のプレートによって地下に引きずり込まれ、その反発で跳ね上がることで地震が起きた。跳ね上がった際に海面を押し上げ、大津波も引き起こした。だが今回のタイプは「プレート内の地震」だ。震源の深さは55キロ。海側プレート内でひずみが蓄積され、岩盤が破壊されて地震が起きた。地震の規模が大きく、地震波は海側のプレートから陸側のプレート内部を伝わって遠方に達した。福島県沖の震源地から約900キロ離れた広島県呉市でも震度1を観測したほどだ。[br] 一方で、震源の深さは大きな津波が起きなかった理由にもなった。気象庁の担当者は「もし震源があと5キロ浅かったら、宮城県に津波注意報を発表していた」と明かす。[br] シミュレーションを繰り返してきた結果から、今回と同じ規模と震源域で震源の深さが10~50キロだった場合、気象庁は東北の太平洋沿岸に津波注意報、さらに浅ければ警報を発表する手はずだった。14日未明には宮城県の石巻港、仙台港、福島県の相馬港で20~10センチの海面変動が確認されたが、地震のタイプ、震源の深さ次第でさらに大きな地震・津波の危険があった。[br] 気象庁によると、今回の地震発生メカニズムは「逆断層」。岩盤が押され、断層を境にして上下にずれたとみられる。この断層の周辺は地震が起こりやすくなっている。同庁が当面、震度6強程度の揺れに注意を呼び掛けたのはそのためだ。[br] 津波工学が専門で、東北大災害科学国際研究所長の今村文彦いまむらふみひこ教授は「東日本大震災の記憶が風化し、防災意識が下がっている状況があるかもしれない。ただ、今でも新たな地震や津波のリスクがあることを認識してほしい」と警鐘を鳴らした。