【新型コロナ】弘前飲食店大規模クラスター、県が対応検証/初動甘さ否定せず

検証結果について報告する嶋谷嘉英次長=24日、青森県庁
検証結果について報告する嶋谷嘉英次長=24日、青森県庁
青森県は24日、弘前市の接待を伴う飲食店を中心に発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)に関する検証結果を公表した。感染拡大の一因として指摘されている弘前保健所の業務状況について、「風邪症状がある人を複数確認した時点で、接.....
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 青森県は24日、弘前市の接待を伴う飲食店を中心に発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)に関する検証結果を公表した。感染拡大の一因として指摘されている弘前保健所の業務状況について、「風邪症状がある人を複数確認した時点で、接待を伴う飲食店であることや県外客がいたことなどを踏まえ、(検査につなげる)帰国者・接触者外来を紹介する余地があった」と振り返り、初動対応の甘さを否定しなかった。[br][br] 大規模クラスターは今年10月に発生。従業員や利用客の知人や同居人のほか、市内の病院で院内感染につながるなど計186人が感染した。[br][br] 新型コロナ対応が主担当ではない県健康福祉部の嶋谷嘉英次長を中心に、保健所職員や飲食店側から聞き取り調査を行い、県の対応を検証した。[br][br] それによると、店側は体調不良を訴える従業員がいたため、10月5日に初めて保健所に相談。既に医療機関を受診しており、保健所は症状悪化時に再度連絡するよう指導し、検査には至らなかった。[br][br] 店側は9日、「風邪と診断された従業員が5人いる」と再度相談。一方、保健所はこれまで弘前管内で感染者がゼロで、検査の目安となる陽性者との接触歴、移動歴を踏まえ、帰国者・接触者外来に紹介しなかった。[br][br] その後も店側は度々相談を続けたが、従業員の検査が初めて行われたのは14日だった。[br][br] 嶋谷次長は「9日の相談時では誤った判断はしていない」と強調した一方で、「接待を伴う飲食店で、県外の客がいたことから検査を検討する要素があった」と結論付けた。[br][br] 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「結果論だが、9日に検査できれば感染者が減った可能性はあった」との見方を示した。[br][br] 今回の経験を踏まえ、県は▽検査につなげる判断の均一化▽検査対象を情勢に応じて幅広く捉える―などの改善に取り組む。検証結果について報告する嶋谷嘉英次長=24日、青森県庁