【新型コロナ】長期化で心身に及ぼす悪影響懸念/反町教授「支援と心のケア両立を」

新型コロナウイルス下の生活が長期化し、市民の心身に及ぼす悪影響が懸念されている。体調不良に加え、外出自粛や感染への強い不安などが重なり、精神的な不調を来す「コロナうつ」といった言葉も生まれた。経済情勢の悪化に伴い、自殺者増加の危険性が高まる.....
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 新型コロナウイルス下の生活が長期化し、市民の心身に及ぼす悪影響が懸念されている。体調不良に加え、外出自粛や感染への強い不安などが重なり、精神的な不調を来す「コロナうつ」といった言葉も生まれた。経済情勢の悪化に伴い、自殺者増加の危険性が高まる中、自殺問題を長年にわたり研究する青森県立保健大の反町吉秀教授(60)は「具体的支援と心のケアの両立を図る必要がある」と強調。国や県などの相談事業の積極的な利用を勧めている。[br] 県民の精神的な健康の維持、増進を図る拠点機関の県精神保健福祉センター(青森市)によると、新型コロナ関連の相談件数は、3月が5件だったが、4月に入り20件と急増。主な相談内容は「感染が怖くて家から出られない」といった感染不安に関するものだった。その後は5月1件、6月2件、7月6件にとどまっている。[br] 同センターの担当者は「十和田市でクラスター(感染者集団)の発生など相次いで感染者が確認されたため、不安感が高まったのではないか」と4月に急増した理由を推測している。[br] 新型コロナによる心の不調について、反町教授は「休業や失業によるストレスや、元々あった精神的な不調で過敏に反応してしまう」と分析。「感染症への正しい理解が乏しく、感染に対する不安な気持ちが起きることで、感染者らに誹謗(ひぼう)中傷をしてしまうのではないか」と指摘する。[br] その上で「職場環境の変化や過労といった誰でも身近な問題が発端となり、複数の問題が絡み合うことで自殺につながる」とし、新型コロナによって一変した日常生活がきっかけとなり、精神的に追い詰められる可能性を指摘した。[br] 反町教授も関わる「いのちを支える自殺対策推進センター」(東京)は、内閣府と共同で支援策情報の提供と心のケアを同時に進められるホームページ「支援情報ナビ」を6月に公開。居住地と困りごとを入力するだけで、政府や都道府県の支援策が提示される。[br] ストレスチェック機能も搭載し、自殺リスクが高い人にはすぐに支援につなげるという。反町教授は「ストレスの自覚がない人でも気軽にでき、具体的支援と心のケアが同時にできる」と利用を促している。[br] 支援情報ナビのアドレスはhttps://corona.go.jp/info―navi/