【新型コロナ】休廃業・解散、過去最多の懸念/青森県内企業、500件超も

新型コロナウイルスによる経済停滞で、休廃業・解散に追い込まれる企業が相次ぐ懸念が高まっている。民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店によると、2020年に青森県内で休廃業・解散する企業は、過去最多の500件を超える見通し。経営者の高齢化.....
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 新型コロナウイルスによる経済停滞で、休廃業・解散に追い込まれる企業が相次ぐ懸念が高まっている。民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店によると、2020年に青森県内で休廃業・解散する企業は、過去最多の500件を超える見通し。経営者の高齢化や後継者不足に加え、景気悪化が追い打ちを掛ける格好だ。現状では、行政や金融機関の資金繰り支援を活用しているため表面化していないが、売り上げの回復が見込めない状況が長引けば、より深刻さが増す可能性がある。[br] 県内企業の休廃業・解散は16年から増加傾向で、18年に過去最高の464件を記録。19年は293件と減少したが、20年は大幅に増える見通し。[br] 増加の背景には、経営者の高齢化と後継者不足がある。県内経営者の平均年齢は63・11歳(19年12月末)と、全国9番目に高齢化が進行。後継者不在率も45・24%(19年)で半数近くが事業継続に課題を抱える。[br] 同支店の今章平情報担当は、融資支援などで急場をしのぐ企業が多く、現時点では休廃業や倒産件数が低水準で推移している―と指摘。「当面は耐えられるかもしれないが、支援には限りがある。高齢の場合は、無理せず諦める事態も想定され、休廃業や倒産の数がいつ増えてもおかしくない」と危機感を募らせる。[br] 県内の中小企業者を支援する21あおもり産業総合支援センターには、4月から相談が急増し、前年より約100~200件多く推移している。[br] 相談内容は、当初は資金繰りが大半だったのに対し、6月以降は事業継続が増加。必要な感染防止策の問い合わせが多いが、中には「何をしたらいいのか」と途方に暮れる声も寄せられている。[br] 休廃業が増えれば、長年培ってきた技術や伝統を引き継げないほか、雇用の受け皿が減り、地域経済への打撃は深刻だ。県内では19年に同センターを中心に、金融機関や商工団体などで組織する県事業承継ネットワークを設立。官民一体となり企業間のマッチングなど事業継続を支援する。[br] 同組織内にある県事業引継ぎ支援センターの野澤昇統括責任者は「人脈やノウハウは大きな財産。早めの相談があれば、残す手だてはある」と訴える。[br] 21あおもり産業総合支援センターでは、新型コロナ特別相談窓口を設置している。問い合わせは、平日が=電話017(721)3787=、休日は=携帯電話080(2846)1315=へ。