【新型コロナ】普段少ない若者の相談増加/あおもりいのちの電話(弘前)

若者からの深刻な相談が寄せられているあおもりいのちの電話=7日、弘前市 
若者からの深刻な相談が寄せられているあおもりいのちの電話=7日、弘前市 
「何もかも失って生きる気力がなくなった」(20代男性)―。自殺の悩みを電話で受け付けるNPO法人「あおもりいのちの電話」(弘前市)には、自らの手で命を絶とうとする人から深刻な相談が日々寄せられている。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛ム.....
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 「何もかも失って生きる気力がなくなった」(20代男性)―。自殺の悩みを電話で受け付けるNPO法人「あおもりいのちの電話」(弘前市)には、自らの手で命を絶とうとする人から深刻な相談が日々寄せられている。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛ムードが長引く影響で、4月以降、普段は少ない20~30代の相談が増加。同法人は「世の中に対する漠然とした不安が、感染拡大や失業などにより具体化し始めている。若者の心身の状態が心配だ」と警戒感を強めている。[br] いのちの電話は2019年現在、全国50カ所に設置されている。[br] 同法人によると、あおもりいのちの電話が受けた19年度の相談件数は2002件で、うち自殺志向の内容は14・7%に上る。通常では40~50代の相談が多く、主に「近所の付き合い」や「離婚」といった内容が寄せられている。[br] だが、今年は新型コロナに関する相談が急増。2月1件、3月10件、4月30件、5月35件、6月15件、7月9件と推移し、既に100件に達した。4月以降は20~30代の若い世代による相談が目立ち始めた。[br] 相談内容を見ると、「人と会えず精神的に不安定になっている」「自粛、自粛でいらいらする」など、外出ができないストレスを訴えるケースが多い。中には1時間半も話し込む相談者もいたという。[br] 精神障害がある40代女性は「就労支援をする事業所が閉鎖となり、行き場がなくなった」と切実な状況を吐露。家族が新型コロナに感染したという10代女性は「身内に感染者が出たことを家族に口止めされている。どうしたらよいか分からなくなった」と悩みを打ち明けた。[br] 若者の相談が増加傾向にある状況について、同法人の藤林正雄事務局長は「自粛で家にこもりがちになった上、東京で若者の感染が拡大し、心配になったからではないか」と指摘。「今後、失業者が増えれば深刻な相談の増加も予想される。一人一人の不安に寄り添い、丁寧な対応をしていきたい」と語る。[br] 相談は毎日正午から午後9時まで受け付ける。あおもりいのちの電話=電話0172(33)7830=へ。若者からの深刻な相談が寄せられているあおもりいのちの電話=7日、弘前市