経済効果マイナス9600万円 八戸・魚市場A棟の事後評価公表

八戸市第3魚市場の荷さばき施設A棟=3日
八戸市第3魚市場の荷さばき施設A棟=3日
八戸市は7日、稼働が低迷する市第3魚市場荷さばき施設A棟について、2017~19年度に取り組んだ改善計画の「事後評価」を公表した。3年間の総便益(経済効果)は目標の4億1174万円に対し、マイナス9684万円で、達成率もマイナス23・52%.....
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 八戸市は7日、稼働が低迷する市第3魚市場荷さばき施設A棟について、2017~19年度に取り組んだ改善計画の「事後評価」を公表した。3年間の総便益(経済効果)は目標の4億1174万円に対し、マイナス9684万円で、達成率もマイナス23・52%と厳しい結果になった。サバの漁期の短期化や不漁、イワシとの混獲増が不調の主な要因とした。[br] 同日の市議会経済協議会で明らかにした。水揚げは計画数量の年間3万1200トンに対し、17年度2305トン、18年度1540トン、19年度383トンと低迷し、施設の維持管理経費を上回る経済効果が得られなかった。[br] 未達成の主な理由は3点。サバの漁期の短期化では、稼働日数が計画の年間52日に対し、17年度13日、18年度8日、19年度2日と大幅に減少した。[br] サバの不漁では、特に19年度は八戸港全体の数量が2万トンに届かず過去15年間で最低を記録。さらに、近年はサバとイワシの混獲が増え、イワシの水揚げに対応していないA棟が利用されなかった。[br] 事後評価では改善の方策も提示。イワシのうろこを除去する設備を加え、混獲に対応し、利用拡大を図るほか、魚を吸い上げるフィッシュポンプのホース設置用クレーンを導入し、水揚げ時間を短縮し、利便性を向上させるとした。[br] 市は今年の漁期中に改善策の試験を行って効果を分析し、来年の漁期から本格実施する構え。また21~23年度を対象とした新たな改善計画の策定に向け、国や青森県と協議する方針だ。[br] 協議会では委員から「未達成の理由が抽象的で弱い印象。明確な反省が見られない」といった批判が出た。[br] また、老朽化が著しい市第1魚市場のA棟への機能移転について、市水産事務所の茨島隆所長は「将来的にA棟の取り扱いが増えれば(第1の機能を)まかなうことも可能になると考えている」と述べ、新たな改善計画の下でA棟の稼働率向上に取り組む考えを示した。 事後評価は同日、県のホームページにも掲載された。八戸市第3魚市場の荷さばき施設A棟=3日