【新型コロナ】夏の風物詩・八戸花火大会の開催決定/イベント中止が相次ぐ中、市民に元気を

八戸花火大会の開催実現に向けて協議をする実行委員会の会合。「3密」回避に向けて対策を徹底することを確認した=6月19日、八戸市
八戸花火大会の開催実現に向けて協議をする実行委員会の会合。「3密」回避に向けて対策を徹底することを確認した=6月19日、八戸市
夜空に届け、みんなの願い―。新型コロナウイルスの影響で八戸三社大祭の山車運行など夏を彩るイベントが相次いで中止になる中、夏の風物詩・八戸花火大会の開催が決まった。新型コロナの感染拡大で開催が危ぶまれたが、八戸青年会議所メンバーやOBらで組織.....
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 夜空に届け、みんなの願い―。新型コロナウイルスの影響で八戸三社大祭の山車運行など夏を彩るイベントが相次いで中止になる中、夏の風物詩・八戸花火大会の開催が決まった。新型コロナの感染拡大で開催が危ぶまれたが、八戸青年会議所メンバーやOBらで組織する“実働部隊”の実行委員会が「3密」を回避する方法を模索し、開催への道を切り開いた。当日、打ち上げを目指す花火の数は、多くの人が願う5670(コロナゼロ)。コロナに負けない思いを乗せ、市民に元気と希望を届ける。[br] 全国的にイベントの自粛や中止が相次ぐ中、関係者の間では春ごろに水面下で開催に関する話が持ち上がった。ただ、4月16日に全国に緊急事態宣言が発令され、不特定多数が集まるイベントは自粛の対象に。八戸三社大祭の山車運行も取りやめとなったことで花火大会の開催も不透明な状況に追い込まれた。[br] 一方で「寂しい夏にならないよう、何とか花火大会だけはできないだろうかという思いも強くなった」と実行委員長を務める杉澤惟成さん(37)。青森県内で5月上旬以降、感染状況が落ち着いてきたことを踏まえ、6月上旬から具体的な検討がスタートした。[br] 「みんなのための花火を、みんなの力で上げよう」(杉澤さん)をキャッチフレーズに掲げ、6月中に計3回、会議を開催。3密回避の方法を話し合いつつ関係機関と調整を続け、今月3日の大会委員会で開催決定にこぎ着けた。[br] 副実行委員長を務め、自らも花火師の資格を持つ田島理成さん(41)は全国で大会が中止を余儀なくされている現状について「八戸で開催できれば全国のモデルになる。花火を見て明るく元気になってくれれば」と力を込めた。[br] ただ、複雑な思いもある。例年ならば多くの市民に来場を呼び掛けるが、今年は密を避けるため、会場の来場人数を厳格に管理。強制はできないが、有料席と招待者席以外の来場を控えるよう要請し、離れた場所で見物するよう求める。代替策として、同市のコミュニティー放送局BeFMや動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信するほか、遠くからでも見えるよう例年よりの大玉の数を増やすよう調整中だ。[br] 本番まで1カ月半となり、杉澤さんは「例年と全く異なる大会になるが、感染防止策を徹底してぜひ成功させたい」と強調。 当日の打ち上げを担当する「青森花火」(十和田市)の花火師野村孝さん(39)は「コロナ収束を願って精いっぱい打ち上げたい。きれいな花火を楽しんでほしい」と意気込んでいる。八戸花火大会の開催実現に向けて協議をする実行委員会の会合。「3密」回避に向けて対策を徹底することを確認した=6月19日、八戸市