みちのく潮風トレイル(2)階上町 海岸朱色に染まる朝 霧中鮮やかスカシユリも

青森県最東端の小舟渡海岸に昇る朝日と階上灯台=6月30日午前4時半ごろ
青森県最東端の小舟渡海岸に昇る朝日と階上灯台=6月30日午前4時半ごろ
6月30日、早起きして階上町区間の南の起点となる小舟渡海岸へ向かった。 青森県内で最も早く朝が来る階上町。この時季の日の出は午前4時すぎだが、梅雨時は厚い雲に覆われることが多く、朝日をなかなか拝むことができない日が続く。 しかし、この日は大.....
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 6月30日、早起きして階上町区間の南の起点となる小舟渡海岸へ向かった。[br] 青森県内で最も早く朝が来る階上町。この時季の日の出は午前4時すぎだが、梅雨時は厚い雲に覆われることが多く、朝日をなかなか拝むことができない日が続く。[br] しかし、この日は大当たり。穏やかな太平洋から朱色の太陽が顔を出し、階上灯台や海岸の草原を照らした。[br] その1時間後、前回のゴールだった大蛇駅へ向かうと、たちまち海霧が立ち込め、辺りは真っ白に。急激な気象の変化は、驚きのひと言だった。[br] 視界300メートルほどの中で海岸部を歩いていると、鮮やかなオレンジ色のスカシユリが目に入った。波のしぶきか朝露か、水滴をたたえたあでやかな姿にしばし足を止めた。[br] 階上駅前商店街を越えて内陸部へ入っていくと、霧が次第に晴れてきた。田んぼのあぜや林の陰からキジのつがいがひょっこりと現れては、ケーンケーンと鳴いて去っていく。[br] みちのく潮風トレイル唯一の登山コースとなる階上岳に差し掛かった。なだらかな山体とはいえ、運動不足の体にはこたえる。汗だくで標高739メートルの山頂へ。太平洋から吹き付けるやませの雲が見えた。[br] 放牧されている牛たちを横目に山を下ると、一部に台風の影響と思われる爪痕が確認できた。寺下観音に近づいた頃には、この日の天気予報通り、小雨がぱらついてきた。青森県最東端の小舟渡海岸に昇る朝日と階上灯台=6月30日午前4時半ごろ