天鐘(6月21日)

1950年代から60年代まで米国の第14代連邦最高裁判所長官を務め、政治家でもあったアール・ウォーレンはスポーツ好きだったようだ。彼の語録に、次のような言葉が残っている▼〈私はいつも、新聞は運動面から読み始める。そこには人間が成し遂げたこと.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 1950年代から60年代まで米国の第14代連邦最高裁判所長官を務め、政治家でもあったアール・ウォーレンはスポーツ好きだったようだ。彼の語録に、次のような言葉が残っている▼〈私はいつも、新聞は運動面から読み始める。そこには人間が成し遂げたことが記録されているからだ。一面に載っているのは、人間がしでかした過ちばかり〉。思わず納得してしまうフレーズだ▼昨日のスポーツ面に載った「人間が成し遂げた記録」を、感慨深く読んだ人は多かったに違いない。過去の名勝負特集も、戦力分析も楽しかった。けれども、熱戦を伝える生の記事はやっぱりいい。プロ野球が開幕した▼何百、何千の試合を見てきたファンにとっても、一昨日のナイターは格別だったろう。野球がある日常のありがたさ。球場に声援はなくとも、お預けを食らった分、自宅での応援は熱を帯びる。ビールの季節に間に合った▼NHKの実況の第一声は「みなさんの力の積み重ねで迎えられた開幕です」。この日を信じて辛抱してきた。今シーズンはわれわれもコロナと闘いながら、選手と一緒に走り続けるペナントレースだ▼選挙違反、北朝鮮、人種差別…。このところの新聞はウォーレンが嘆いた通りの一面である。こんなときこそスポーツの感動で、よどむ空気を払いのけたい。いつも以上に大きく響き渡る打球音に、今日も元気を届けてもらう。