【全豪テニス】83億円超損失か コロナ下の成功に厳しい現実

 テニスの全豪オープン女子シングルス4回戦を勝ち、無観客の会場を引き揚げる大坂なおみ(手前)=2月14日、メルボルン(AP=共同)
 テニスの全豪オープン女子シングルス4回戦を勝ち、無観客の会場を引き揚げる大坂なおみ(手前)=2月14日、メルボルン(AP=共同)
テニスの大坂なおみ(日清食品)が女子シングルスで2度目の頂点に立った四大大会の全豪オープンは、新型コロナウイルス禍に入念な感染防止対策で成功したビッグイベントとなったが、厳しい現実も待っていた。大会責任者のクレイグ・タイリー氏が2月の大会期.....
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 テニスの大坂なおみ(日清食品)が女子シングルスで2度目の頂点に立った四大大会の全豪オープンは、新型コロナウイルス禍に入念な感染防止対策で成功したビッグイベントとなったが、厳しい現実も待っていた。大会責任者のクレイグ・タイリー氏が2月の大会期間中、損失が1億豪ドル(約83億円)以上に膨れ上がる見通しと地元メディアに打ち明けたからだ。[br][br] 東京五輪・パラリンピック開催を控え、東京都の小池百合子知事が「一番分かりやすい例」と参考に挙げ、モデルケースとして注目も集めた。全豪の主催者は出場する選手らが入国するチャーター機、厳しい2週間の隔離生活を送るホテルなども用意する徹底ぶり。しかし期間中、開催地メルボルンのあるビクトリア州に外出制限が一時課され、チケットの払い戻しにも追われた。[br][br] 当初から入場者数を抑えて開催したが、タイリー氏は「14日間のうち5日間も無観客となり、商品が売れなかったことは痛手」と説明。最終的な数字が出ていないものの「8千万豪ドルの準備金は底を突くだろうし、4千万~6千万豪ドルをローンで確保することになる。大きな損失」と認めた。[br][br] ロイター通信によると、タイリー氏は東京五輪・パラリンピック組織委員会が2月上旬に公表した、感染防止対策などのルールをまとめた「プレーブック(規則集)」の初版も熟読したそうで「自分たちの方がはるかに厳格なプログラムだ」と指摘。会期を延ばして隔離期間を長めに取ることも一つとし「五輪は好きだし成功してもらいたいが、われわれの経験からすると、うまく機能すると思えない」と懸念した。 テニスの全豪オープン女子シングルス4回戦を勝ち、無観客の会場を引き揚げる大坂なおみ(手前)=2月14日、メルボルン(AP=共同)