緊急事態宣言下の大型連休 観光や宿泊業に暗い影/北奥羽地方

緊急事態宣言下で大型連休に突入し、北奥羽地方の観光や宿泊業界は打撃を受けている(写真はコラージュ)
緊急事態宣言下で大型連休に突入し、北奥羽地方の観光や宿泊業界は打撃を受けている(写真はコラージュ)
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に出された緊急事態宣言が、29日から始まった大型連休期間と重なり、北奥羽地方の観光や宿泊業に暗い影を落としている。全国に緊急事態宣言が発令された昨春に比べ、若干の需要の回.....
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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に出された緊急事態宣言が、29日から始まった大型連休期間と重なり、北奥羽地方の観光や宿泊業に暗い影を落としている。全国に緊急事態宣言が発令された昨春に比べ、若干の需要の回復傾向が見られるものの、依然としてコロナ前の客足にはほど遠い。苦しい経営を強いられる事業者は「終わりが見えない」と先行きを不安視する。[br][br] 17日に今季の運航が始まったばかりの十和田湖遊覧船は、運航開始前に適用された東京都や宮城県などへのまん延防止等重点措置の時点で、修学旅行や団体など集客を見込める予約のキャンセルが相次いだ。[br][br] さらに4都府県への緊急事態宣言が追い打ちをかけ、4月の乗客数はコロナ前の2019年が約4700人だったのに対し、今年は27日時点で約290人と1割にも満たない。運航する十和田観光電鉄の佐藤行洋代表は「首都圏の客は望めず、今年もゴールデンウイークは全く駄目だろう。2年連続で緊急事態宣言の直撃は影響が大きい」と肩を落とす。[br][br] 例年だと帰省客や観光客でほぼ満席になる高速バス。岩手県北自動車南部支社(八戸市)によると、八戸など青森県内と首都圏を結ぶ高速夜行バス「MEX(メックス)」の連休期間中の予約状況は、28日現在で19年実績の4割程度。帰省客が中心で、首都圏方面の上り線は空席が目立つ。[br][br] 今後、連休期間後半の予約の増加は見込まれるものの、高橋学支社長は「昨年はどん底だった。今の状況では仕方ないが、今年もやはり少ない」と語る。[br][br] 「終わりが見えないのがつらい」。感染拡大の長期化で、宿泊業界への影響が深刻になっていく中、八戸ホテル協議会の倉田任康会長は率直な思いを語る。市内のホテルのメイン客層であるビジネス客は戻りつつあるものの、観光客の動きは鈍いままだ。[br][br] 事業者は客足の回復を急ぎたくても、できないジレンマを抱える。ワクチン接種が始まったばかりの現状では利用者が増えるほど感染のリスクが高まる。加えて、経営を取り巻く環境は厳しい。感染者を出してしまえば、より深刻なダメージは避けられない。[br][br] 八戸屋台村「みろく横丁」の出店者代表の木村健一村長は「来てもらえるのはありがたいが、感染が怖い部分もある」と吐露。座敷わらしの宿として全国的に有名な二戸市の「緑風荘」の五日市洋社長は「昨年ほどキャンセルが出ず、お客さまもコロナ慣れしている。検温や消毒をしっかり実施して受け入れたい」と感染症対策に神経をとがらせる。緊急事態宣言下で大型連休に突入し、北奥羽地方の観光や宿泊業界は打撃を受けている(写真はコラージュ)