【東通原発工事完了延期】最後の延期に、思惑にじむ 女川の知見が鍵

東通原発を巡る主な動向
東通原発を巡る主な動向
東通原発(東通村)の安全対策工事完了の目標時期を2024年度に先送りした東北電力。延期幅を過去最長の3年とした背景には、今回を最後の延期にしたい―という思惑が色濃くにじむ。懸案だった敷地内外の断層を巡る議論は決着したが、地震や津波を巡る議論.....
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 東通原発(東通村)の安全対策工事完了の目標時期を2024年度に先送りした東北電力。延期幅を過去最長の3年とした背景には、今回を最後の延期にしたい―という思惑が色濃くにじむ。懸案だった敷地内外の断層を巡る議論は決着したが、地震や津波を巡る議論は半ばで、目標達成は容易ではない。[br][br] 「時間がかかっていた断層の議論が解決し、標準的な審査になってきた。審査や工事の精度も以前より上がっている」。東北電の加藤功原子力本部長は28日の会見でこう語り、今後の進展に期待を寄せた。[br][br] 東北電では、先行していた女川原発2号機(宮城県)が昨年2月、原子力規制委員会の審査に合格。出力は異なるが、女川原発の設計は東通に近い。東北電は女川で得た知見を活用し、今後の審査を効率的に進める戦略を描く。[br][br] 女川は耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を策定してから約30カ月で合格にこぎ着けた。審査のポイントを捉え、東通で期間をどれだけ短縮できるかが鍵となる。[br][br] ただ、その前段階となる基準地震動の策定に向けた審査は、最も影響があるとされる活断層「横浜断層」の議論が始まったばかり。東北電が600ガルに設定する地震動に見直しがあれば、新たな耐震補強工事が必要となる可能性もある。[br][br] 加藤本部長は「当然、次の見直しは考えていない。今回示した工程を守れるように最大限努力したい」と強調するが、先行きには不透明感も残る。東通原発を巡る主な動向