賞味期限切れ食品を提供 野辺地町社協が生活困窮者に

野辺地町社協が提供用に準備していたカレーセット。レトルトカレーには、賞味期限が2020年1月21日と記載されている(画像の一部を加工しています))
野辺地町社協が提供用に準備していたカレーセット。レトルトカレーには、賞味期限が2020年1月21日と記載されている(画像の一部を加工しています))
生活困窮者らに対する食料品の支援事業で、野辺地町社会福祉協議会が賞味期限の1年以上過ぎた食料品を提供していたことが30日、町社協などへの取材で分かった。提供を受けた町内の男性は味に違和感などを訴えて返品した。町社協は試食して味に問題はなかっ.....
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 生活困窮者らに対する食料品の支援事業で、野辺地町社会福祉協議会が賞味期限の1年以上過ぎた食料品を提供していたことが30日、町社協などへの取材で分かった。提供を受けた町内の男性は味に違和感などを訴えて返品した。町社協は試食して味に問題はなかったので配ったとしているが、今後の提供は控える方針。男性は取材に「生活に困窮しているだけでこんな扱いを受けるのか」と不信感をあらわにした。[br][br] 同事業では、企業などから賞味期限が迫っている食料品を譲り受け、生活に困っている人へ配っている。町社協によると、今回提供したのは非常食のカレーセットで、発熱材を利用してパック入りの白米とレトルトカレーを温められる。元々は町の災害備蓄品で、町が賞味期限切れで処分方法を検討していたため、25日に引き取ったという。[br][br] 賞味期限は、白米が2019年12月、カレーが20年1月などとなっていた。期限から1年以上が経過していたが、町社協は試食をして問題がないと判断。26日に町内の40代男性に期限切れを伝えて、10個ほどを提供した。[br][br] 食べた男性は味に違和感を抱き、食後におなかを下したという。取材に「そもそも期限切れを渡すこと自体が、ばかにしている気がした」と町社協の対応に怒りをぶつけた。町社協が今回のカレーセットを提供した人はほかにいない。[br][br] 全国社会福祉協議会によると、同事業について賞味期限の明確なルールはないものの、期限内の食料品を渡すのが一般的。県社協の担当者は「相手へのリスクを考慮すれば、(期限切れは)考えられない」との認識を示す。[br][br] 町社協の松尾節男事務局長は「電気やガスがなくても温かいものが食べられるので適していると考えたが、安易だった。利用者をばかにする意図はなかった」と釈明した。野辺地町社協が提供用に準備していたカレーセット。レトルトカレーには、賞味期限が2020年1月21日と記載されている(画像の一部を加工しています))