【新型コロナ】迫るワクチン接種 乏しい情報、苦悩の自治体 

新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、青森県内市町村は3月下旬から開始が見込まれる65歳以上の高齢者への実施準備を急いでいる。だが、国からのワクチン供給の具体的な時期や量など、円滑な接種態勢に必要な情報は乏しい状況だ。接種に従事する医師や.....
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 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、青森県内市町村は3月下旬から開始が見込まれる65歳以上の高齢者への実施準備を急いでいる。だが、国からのワクチン供給の具体的な時期や量など、円滑な接種態勢に必要な情報は乏しい状況だ。接種に従事する医師や看護師の確保、集団接種に使用する会場の選定といった課題も山積している。ある市町村の担当者は「情報が少なく、詳細な接種計画が立てられない」と苦悩している。[br][br] 厚生労働省が示しているワクチン接種のスケジュールでは、2月下旬に青森労災病院(八戸市)を含む全国100病院、約1万人の医療従事者を対象とした先行接種を実施。3月からはほかの医療従事者への優先接種を実施する予定で、県内では約3万6千人の医療従事者のうち希望者が県内67病院で接種を受ける。[br][br] その後は市町村が実施主体となり、3月下旬から65歳以上の高齢者約41万人に接種し、その後に基礎疾患のある人や高齢者施設の従事者らに行う。このほかの県民は5月以降になる見通し。[br][br] だが、1月27日に河野太郎行政改革担当相が高齢者の接種時期を「早くても4月1日以降」と発言。国からはスケジュールの変更について正式な説明はなく、県や市町村は困惑したままだ。[br][br] 八戸市は1月15日に市保健所内に対策室を設置し、速やかな接種体制の確保に向けて準備を進めている。接種方法は集団接種の実施も含め市医師会と協議中で、会場や医師の確保も検討段階。入院患者や施設の入所者については国の方針に基づき、入院先や入所先での接種も視野に入れているという。対策室の担当者は「いつ、どのようなスケジュールになるかは見通しが立たない状況だが、国の指針に沿って準備する」と述べた。[br][br] 十和田市では集団接種を想定し、接種者の間隔を空けるために大規模な会場を選定する見通し。市保健センターも活用し、2会場での接種を検討している。ただ、長期的に会場を確保するのは、別の催しの日程も入っているなど難しく、同市の担当者は「ワクチンがいつ来るかも不明なため、会場の手配に必要な具体的な日程が決められない」と現状を明かす。[br][br] 集団接種の方向で準備する三戸町の担当者は「日々情報が変わり、何を接種計画の根拠にしていいのか分からない」と話す。接種は長期間が予想されるため、必要な医療従事者を確保するのが難しいという。[br][br] 県健康福祉部の嶋谷嘉英次長は「市町村が具体的に取り組めるよう、県としても支援していきたい」と話し、必要な場合は市町村と地域の医師会や、市町村間の調整などに努める考えを示した。