五戸・倉石温泉「廃止やむなし」 検討委が町に答申

若宮佳一町長(右)に答申書を提出する岩井敬治会長=25日、五戸町役場
若宮佳一町長(右)に答申書を提出する岩井敬治会長=25日、五戸町役場
五戸町倉石温泉の今後の事業運営などを検討する委員会(会長・岩井敬治倉石地区連合自治会長)は25日、経営状況悪化や設備老朽化などの現状を踏まえ、「温泉事業は廃止もやむを得ない」などとする検討結果を若宮佳一町長に答申した。町は答申を踏まえ、年度.....
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 五戸町倉石温泉の今後の事業運営などを検討する委員会(会長・岩井敬治倉石地区連合自治会長)は25日、経営状況悪化や設備老朽化などの現状を踏まえ、「温泉事業は廃止もやむを得ない」などとする検討結果を若宮佳一町長に答申した。町は答申を踏まえ、年度内に温泉事業の方向性を判断する方針だ。[br][br] 検討委は、町内全域の自治会長や一部町議らで構成。今年5月から、館内の交流ホールなどを除く温泉部分の事業に関して議論を重ねてきた。[br][br] 事務局の町健康増進課によると、これまでの会合では委員から「規模を縮小して温泉事業を継続できないか」との意見もあったが、今月中旬に故障したボイラーの修繕費が多額に上るほか、設備の経年劣化や入浴者数の減少で、収支の改善も見通せないため、「廃止やむなし」と結論付けた。[br][br] 同温泉は1991年に営業開始。町によると、年間入浴者数は近年、4万人前後で推移し、開業当初の半分以下に落ち込んでいる。ボイラーは、故障した1台のみの交換でも約270万円、耐用年数を過ぎている他のボイラーと配管を同時に更新した場合は約4千万円を要する見込みという。[br][br] 同日は、岩井会長らが町役場を訪れ、若宮町長に答申書を提出。答申では、温泉事業を廃止した場合、地区住民らを対象として、町内入浴施設の割引券の発行や送迎バス運行などを行うことも提言した。[br][br] 岩井会長は取材に対し、「地区住民の大多数は存続を望んでいると思う」としつつ、「ボイラーの修繕費用は多額に上り、(答申内容は)致し方ない」と語った。[br][br] 若宮町長は「税金の公平な還元や、まちづくりへの影響といった面を総合的に判断し、早めに結論を出したい」との考えを示した。若宮佳一町長(右)に答申書を提出する岩井敬治会長=25日、五戸町役場