日本モダンダンス・江口隆哉氏(野辺地出身)生誕120年祭/東京開催、ささ踊り披露へ

ささ踊りの練習に励むメンバー=11月、東京都内(実行委の安田敬さん提供)
ささ踊りの練習に励むメンバー=11月、東京都内(実行委の安田敬さん提供)
野辺地町出身で、日本モダンダンスの先駆者として知られる江口隆哉氏(1900~77年)の生誕120周年を祝うイベント「後継たちによる競演」が25日、東京都のメルパルクホールTOKYOで開催される。イベントでは、同町の盆踊りで江口氏が復元に携わ.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 野辺地町出身で、日本モダンダンスの先駆者として知られる江口隆哉氏(1900~77年)の生誕120周年を祝うイベント「後継たちによる競演」が25日、東京都のメルパルクホールTOKYOで開催される。イベントでは、同町の盆踊りで江口氏が復元に携わった「ささ踊り」の上演も予定。企画する弟子らは「多くの人たちに功績を知ってもらいたい」と願いを込める。[br][br] 江口氏は、同町の小学校の代用教員として過ごしながら、浪曲や狂言、日本舞踊などに関心を持ち、稽古に励んだという。その後に上京し、先進地ドイツでモダンダンスを学んだ。[br][br] 帰国後は舞踊研究所を開設して、自主公演や合同公演などを通して創作活動を展開。後進の育成にも力を注ぎ、日本の現代舞踊の定着と発展の基礎を築いた。名を冠した江口隆哉賞は、国内の現代舞踊で最も権威ある賞として知られる。[br][br] イベントは、江口氏の弟子らで組織する実行委が企画。総勢100人が参加し、江口作品などを披露する。企画の過程で、出身地である同町や青森県内の人たちにも江口氏の功績を知ってもらおうと、ささ踊りの公演を決めたという。[br][br] ささ踊りは北奥羽地域に伝わる民謡「ナニャドヤラ」の流れをくむ盆踊り。江口氏が21歳の頃には衰退していたが、自ら復興・復元に尽力したとのエピソードが残されており、今でものへじ祇園(ぎおん)まつりで披露されるなど町民に親しまれている。[br][br] 当初は地元のささ踊り保存会(滝澤眞利子会長)を東京に招いて指導を仰ごうとしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で断念した。このため、2016年に町内を視察し、踊りも体験した江口氏の弟子で日本女子体育大名誉教授の金井芙三枝さんらが若いダンサーを指導。モダンダンスとは脚の開き方など違いが多かったというが、映像を参考にしながら、11月から週1、2回の練習を重ねた。[br][br] 熱心に指導した金井さんは「日本の舞台芸術に大きく貢献した江口氏の遺産を残したい」と意気込み。ささ踊りを全国にアピールするとともに、県内の人たちにも偉大な人物を生み出しことを改めて知ってほしいと願う。[br][br] 公演には地元も期待。滝澤会長は「今年はコロナで町内でも踊ることができなかったので本当にうれしい話。町もアピールしてくれるので楽しみ」と話す。ささ踊りの練習に励むメンバー=11月、東京都内(実行委の安田敬さん提供)