天鐘(12月18日)

冬将軍が早くも本領発揮である。街も野山も一面の雪景色。ツルツル路面にヒヤリとする。冷気が肌を突き刺す。異常気象をもたらすラニーニャ現象が継続中だという。その影響もあってか夏は猛暑だった。さて冬は▼スタッドレスタイヤがすり減っていた。雪かき用.....
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 冬将軍が早くも本領発揮である。街も野山も一面の雪景色。ツルツル路面にヒヤリとする。冷気が肌を突き刺す。異常気象をもたらすラニーニャ現象が継続中だという。その影響もあってか夏は猛暑だった。さて冬は▼スタッドレスタイヤがすり減っていた。雪かき用スコップの柄が壊れていた。コートがくたびれてしまった―。季節の変わり目に新調した方もおられよう。灯油の値段も気掛かり。冬場は何かと出費がかさむ▼厳しい寒さがあってこそ四季の美しさが映える。時に荒ぶる風土は生き抜くための知恵、たくましい精神性を育んだ。誇るべき文化である。そうなのだが、北国ならではの負担の多さにはため息が漏れる▼地球温暖化は喫緊の課題と理解しつつ、思わず身構えてしまった。新車販売が2030年代半ばにも、電気やハイブリッドなど電動車に限定されるらしい。温室効果ガスの排出ゼロへ「脱ガソリン」が加速する▼地方は1人1台とされる車社会。エコカーも広く普及しているが、峻別による影響は大きい。地域の足を支える公共交通も経営環境は厳しい。国が掲げる新たな成長戦略「グリーン社会の実現」に期待と不安が交錯する▼社会や産業の構造転換が進めば、市民の暮らし向きは変わる。世界の潮流を強く意識しているようだが、目配りと手当てを忘れてほしくない。それは他の政策にも共通する地方の声である。