【八戸三社大祭】山車運行なくても盛り上げたい 中心街に響けお囃子

八戸市中心街でお囃子を披露する六日町附祭若者連のメンバー。今年の八戸三社大祭は山車運行が取りやめとなったが、祭り囃子は夏夜に響き渡っている=1日午後7時35分ごろ
八戸市中心街でお囃子を披露する六日町附祭若者連のメンバー。今年の八戸三社大祭は山車運行が取りやめとなったが、祭り囃子は夏夜に響き渡っている=1日午後7時35分ごろ
青森県南地方最大の祭り、八戸三社大祭(7月31日~8月4日)の幕開けまで1カ月を切った。今年は発祥300年目の記念だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で神社行列や山車の運行、展示は取りやめが決定。3神社の祭礼行事のみ執り行い、伝統の原.....
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 青森県南地方最大の祭り、八戸三社大祭(7月31日~8月4日)の幕開けまで1カ月を切った。今年は発祥300年目の記念だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で神社行列や山車の運行、展示は取りやめが決定。3神社の祭礼行事のみ執り行い、伝統の原点に回帰する三社大祭となる。それでも、祭りの音色は今年も夏夜に響き渡り始めた。「はちのへ山車振興会」は1日、八戸市中心街でお囃子(はやし)を披露する企画をスタート。「ヤーレ、ヤーレ」の掛け声を上げ、コロナ禍の閉塞感を吹き飛ばす元気を発信した。市民が300年にわたって守り続けてきた祭り囃子が、今も変わらず八戸の街を彩っている。[br] お囃子の披露は、八戸地域の感染状況が落ち着きつつある状況を踏まえ、全27山車組で構成する山車振興会が検討を進めてきた。会場は当初の予定を変更し、八戸ブックセンターが入る六日町の複合ビル・ガーデンテラス前を利用する。[br] 期間は日曜日を除く25日までの予定(12日の日曜は実施)で、午後7時開始。地元の六日町附祭若者連をはじめ、ほかの山車組もおがみ、長者山新羅、神明宮の3神社の附祭グループごとに各日入れ替わりで登場し、街なかにお囃子を響かせる。[br] 初日は六日町附祭若者連の約30人が参加。あいにくの雨天だったが、音色に誘われるように次々と見物客が集まった。子どもたちは次第に緊張もほぐれ、楽しそうに太鼓や笛を奏でた。[br] 青森県立八戸工業高1年の吉岡春埜さん(15)は「山車運行がなくてショックだったけど、きょうは多くの人にお囃子を聞いてもらえて楽しかった。久しぶりに大太鼓をたたいて腕が痛くなったのも、今はうれしい」と充実感をにじませた。[br] 伝統の祭り囃子は、コロナ禍で客足が落ち込む繁華街にも活気を与えそうだ。六日町の飲食店「肴町のらぷらざ亭」では、出入り口の戸を開けて来店客に音色が聞こえるようにした。おかみの小笠原美千代さんは「静かだった街が元気になってくれれば。私たちも頑張ろうという気持ちになった」と期待感を高めた。[br] 六日町附祭若者連の田端隆志代表は「例年であれば中心街にお囃子が響き始める時期だった。コロナで苦しむ繁華街を盛り上げるためにも、できる限り協力したい」と意欲を示した。[br] 一方、三社大祭の規模縮小を受け、今後も山車振興会は祭りのムードを高める企画を展開する方針。2日からは、市中心街のマチニワに展示(7月31日~8月16日)する小型の伝統山車3台の制作に着手する。[br] お囃子披露を見守った山車振興会の小笠原修会長は「祭りの将来を担う子どもたちが喜んでくれた。市民の皆さんが少しでも祭りの雰囲気を感じられる取り組みを進め、コロナの収束も願いたい」と語った。八戸市中心街でお囃子を披露する六日町附祭若者連のメンバー。今年の八戸三社大祭は山車運行が取りやめとなったが、祭り囃子は夏夜に響き渡っている=1日午後7時35分ごろ