情報収集に「軍事」の壁 感染者数明かされず、濃厚接触者の状況も不明/米軍三沢基地の新型コロナ問題

米軍三沢基地内で感染者が確認された問題を受け、三沢市の対応について答弁する小桧山吉紀市長(手前)=18日、市議会議場
米軍三沢基地内で感染者が確認された問題を受け、三沢市の対応について答弁する小桧山吉紀市長(手前)=18日、市議会議場
米軍三沢基地で軍関係者の新型コロナウイルス感染が確認された問題で、三沢市は18日、取材に対し、基地を一時的に訪れた部隊全員のPCR検査が完了したと米軍側から連絡が入ったことを明らかにした。ただ、陽性者が17日午前に確認された3人から増えたか.....
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 米軍三沢基地で軍関係者の新型コロナウイルス感染が確認された問題で、三沢市は18日、取材に対し、基地を一時的に訪れた部隊全員のPCR検査が完了したと米軍側から連絡が入ったことを明らかにした。ただ、陽性者が17日午前に確認された3人から増えたかどうかを含め詳細は伝えられていない。情報を得られない背景にあるのは「軍事上の秘密」。今後も、感染者数や濃厚接触者に関する情報の収集は難しいとみられ、公表されない可能性が高い。[br] 新型コロナに関し、米国防総省は、基地や部隊の個別の感染状況を公表しない方針としている。安全保障上、軍の運用に影響する恐れがある、というのが理由だ。青森県によると、外務省もこの方針を踏まえ、情報を得ても公表しないよう各自治体に通知。県も通知を受けた。[br] 米軍三沢基地のケースもこれに当てはまり、感染者の性別や年齢に加え、濃厚接触者の状況など詳細は公表されていない。[br] 県は、感染症発生に関する日米合同委員会の合意に基づき、上十三保健所を通じて米軍側に情報提供を求めた。18日までにある程度の情報提供があったが、得られた内容について「米軍側からの要請があり、公表できない」として言及を避ける。[br] 市は米軍に情報提供を求め、新たな情報が入り次第、できる限り市民に提供する方針だ。ただ、軍事上の秘密を理由に、今後も感染者数などの情報は提供されないとみられる。[br] 県は「得られた情報の限りでは現時点で市内への感染拡大の可能性はない」としつつ、必要があれば政府を通じて米軍側に情報の公表を要請するとしている。[br] 今回の問題を受け、18日の市議会定例会では、佐々木卓也議員(市民ク)が緊急質問を実施。答弁に立った小桧山吉紀市長は「基地内で感染の封じ込めができている。米軍の対策は継続して実施されている」との認識を示し、基地など関係機関や市民とさらに情報共有を図り、感染症対策に万全を期す考えを強調した。米軍三沢基地内で感染者が確認された問題を受け、三沢市の対応について答弁する小桧山吉紀市長(手前)=18日、市議会議場