無観客のライブ生配信 “明日への希望”も発信

八戸市内の飲食店やクラブでは投稿サイトで動画配信を行い、街に元気を送る=4月下旬、同市のパトリ  
八戸市内の飲食店やクラブでは投稿サイトで動画配信を行い、街に元気を送る=4月下旬、同市のパトリ  
新型コロナウイルスの影響による客足の減少に苦しむ北奥羽地方の飲食店やクラブ。八戸市内では、インターネットの投稿サイトを活用し、来店を控える人らへ向けて動画を配信する取り組みが広がっている。ネットに上がるのは、音楽ライブの中継や料理レシピの紹.....
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 新型コロナウイルスの影響による客足の減少に苦しむ北奥羽地方の飲食店やクラブ。八戸市内では、インターネットの投稿サイトを活用し、来店を控える人らへ向けて動画を配信する取り組みが広がっている。ネットに上がるのは、音楽ライブの中継や料理レシピの紹介、企業のPRなど個性あふれる番組の数々。各店は自主休業や営業規模の縮小など厳しい現実に直面しながらも「また、みんなで楽しめる日のために」「街を元気にしたい」と“明日への希望”を発信する。[br] 4月下旬、同市六日町のカフェ&ロックバー「パトリ」は優しい歌声に包まれていた。この日は地元ミュージシャンが出演。店内に客の姿はなく、ステージの様子が、投稿サイト「インスタグラム」で生中継された。[br] 撮影をしていたのは店主の佐々木亜裕美さん(32)。「暗いニュースばかりの中で、少しでも笑顔になる人が増えてほしい」と思いを話した。[br] これまでさまざまな音楽イベントを企画し、多くのファンを獲得してきたが、新型コロナの感染拡大で客足は8割も減少。先の見えない不安の中で「楽しいことをするために店を開いたんだ」と原点に立ち返り、動画の配信を決めた。[br] 知り合いのバンドや飲食店仲間に協力をしてもらい、4月中旬から配信を開始。ライブに加え、飲食店店主による料理対決やトークイベントなど多岐にわたる内容を届ける。[br] テークアウトに対応しながら、多い時で週に6回の配信を実施。「気持ちも落ち込んでいたが、自分自身もこの企画に助けられた」と佐々木さん。「配信をきっかけに店を知ってもらい、収束後はまた音楽をみんなで楽しみたい」と先を見据えた。[br] 同市十三日町のクラブ「マーキー」は、動画サイト「ユーチューブ」にチャンネルを開設し、無観客のDJライブを生配信する。4月中旬には24時間放送に挑戦。街の窮状を訴えたり、飛び込みで企業のPRを行ったりし、視聴者の注目を集めた。[br] 代表の鈴木陽介さん(36)は「こんな時こそ音楽の力が必要。配信が多くの人の楽しみになってほしい」と願う。市内の異業種を巻き込んでチャンネルの新設も予定しており、「動画で収益を得るような仕組み作りも考えながら、さまざまな情報を発信していきたい」とネットを活用した新たな経営モデルを模索する。[br] 3月に同市岩泉町から六日町へと移転したスペインバル「リベル」店主の高橋幸司さん(35)もユーチューブに、八戸の電話の市外局番を冠したチャンネル「0178クルー」を開設した。[br] 番組では、飲食店の店主らとともに家庭でも気軽に作れる料理レシピを紹介。高橋さんは「この難局を乗り切るためには店同士のつながりも大事」とし、「多くの人に動画を通して八戸のことをもっと知ってもらい、10年後、20年後に向けた街を一緒に育てていきたい」と力を込めた。八戸市内の飲食店やクラブでは投稿サイトで動画配信を行い、街に元気を送る=4月下旬、同市のパトリ