対北朝鮮方針、トランプ前政権合意を継承 完全非核化を交渉の基礎に

 2018年6月、共同声明に署名し両国の国旗の前に立つ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領(肩書はいずれも当時)=シンガポール(ロイター=共同)
 2018年6月、共同声明に署名し両国の国旗の前に立つ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領(肩書はいずれも当時)=シンガポール(ロイター=共同)
【北京共同】バイデン米政権が新たな対北朝鮮政策で、トランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が朝鮮半島の完全非核化をうたった2018年のシンガポール共同声明について、今後の米朝交渉の基礎となる合意の一つと位置付けたこ.....
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 【北京共同】バイデン米政権が新たな対北朝鮮政策で、トランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が朝鮮半島の完全非核化をうたった2018年のシンガポール共同声明について、今後の米朝交渉の基礎となる合意の一つと位置付けたことが13日、分かった。声明を事実上継承することを意味し、日韓両政府にも説明した。バイデン政権は4月に対北朝鮮政策の見直しを終えた。複数の外交筋が明らかにした。[br][br] 北朝鮮から要請があれば、新型コロナウイルスワクチン提供など人道支援にも応じる方針。史上初の米朝首脳会談でトランプ、金両氏が署名した共同声明を国際合意として尊重する立場を打ち出し、非核化交渉の再開を図る。[br][br] バイデン大統領は昨年の大統領選期間中、トランプ氏が金氏と会談を重ね、独裁体制を「正当化した」と批判したが、軌道修正した。人道支援は非核化交渉とは切り離して検討する。北朝鮮がコロナ対策を理由に国境を封鎖したままでは高官往来や第三国での接触も困難だとの判断もある。[br][br] 外交筋によると、米政府は「シンガポール(声明)と過去の政権による他の合意を土台に進展を目指す」と日韓に説明した。同声明を巡っては、日本政府も「政権交代を理由に合意を白紙化すれば、北朝鮮は交渉意欲を失う」(外務省高官)として、ほごにしないよう米側に促していた。[br][br] バイデン政権は1月の政権発足後から対北朝鮮政策の見直しを進めてきた。問題の所在と範囲を明確にするため最終目標を「北朝鮮の完全非核化」と定めることも検討したが、シンガポール声明で盛り込まれた「朝鮮半島の完全非核化」との従来の表現を踏襲することで決着した。北朝鮮の反発を避けることを優先した形だ。[br][br] 米政府は今月、新たな政策を説明するため北朝鮮に接触を打診。2月に打診した際は一切反応がなかったが、今回は「(打診を)受け取った」との反応があった。 2018年6月、共同声明に署名し両国の国旗の前に立つ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領(肩書はいずれも当時)=シンガポール(ロイター=共同)