コロナ禍で保証承諾額2千億円 リーマンや震災上回る/青森県内20年度

 青森県信用保証協会の保証承諾額の推移
青森県信用保証協会は2日までに、2020年度の保証実績をまとめた。保証承諾額は前年度比約2・5倍の2030億5013万円に上り、リーマン・ショックが発生した08年度や、東日本大震災の11年度を上回り、過去5番目に大きい金額となった。新型コロ.....
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 青森県信用保証協会は2日までに、2020年度の保証実績をまとめた。保証承諾額は前年度比約2・5倍の2030億5013万円に上り、リーマン・ショックが発生した08年度や、東日本大震災の11年度を上回り、過去5番目に大きい金額となった。新型コロナウイルスの影響で中小企業の資金需要が急増し、利用が膨らんだ。同協会は「幅広い業種で利用があり、これまでの経済危機と比べても深刻な事態がうかがえる」との見方を示す。[br][br] 信用保証制度は、中小企業が金融機関から資金を借り入れる際、協会が公的保証人となり、資金調達をしやすくする仕組み。県は事業継続支援として国の補助と合わせ、信用保証料と利子負担をゼロとする特別融資制度を昨年5月から今年3月まで実施。事業継続を最優先とし、同制度の活用を促した。[br][br] 県協会よると、実績のある1948年度以降、年度別の最多は98年度の4091億2105万円。バブル経済崩壊後の不況で企業の資金調達が難しく、保証の条件を大幅に緩和する制度を創設したため。2001年度まで2千億円を超えて推移し、上位4番目までを占める。[br][br] その後、経済情勢が悪化した、リーマンショック時の08年度は1540億7033万円、東日本大震災時の11年度には1194億3070万円だった。[br][br] 20年度の保証承諾状況については、新型コロナ関連制度が約7割を占める。6月をピークに徐々に鈍化傾向にあったが、新型コロナ関連制度の期間延長や限度額の引き上げがあり、年度末にかけて利用が増加した。[br][br] 業種別では、飲食業が79億1164万円(前年度比3・5倍)、小売業276億1989万円(2・9倍)、サービス業292億4925万円(2・5倍)、建設業612億2331万円(2・8倍)など幅広い業種で倍増。市町村別では八戸市が454億2594万円(2・9倍)で最多だった。[br][br] 県信用保証協会の担当者は「多くの事業者が事業継続を優先し、資金調達は一巡した印象。どう返済していくか、将来を見据えた事業展開が求められる」と強調する。同協会では4月から、金融機関の伴走支援による経営改善に取り組む企業の保証料を一部補助する制度などを始め、経営改善を支えていく考えだ。