衆院、タブレット利用低調 通信機能の使用禁止足かせに

 卓上に置いたタブレット端末(左下)を使い、質問する立憲民主党の本多平直氏=2020年11月、国会
 卓上に置いたタブレット端末(左下)を使い、質問する立憲民主党の本多平直氏=2020年11月、国会
衆院のペーパーレス化を進める観点で解禁されたタブレット端末の利用が低調だ。昨年11月から全ての委員会で質問者、答弁者とも使えるようになったが、実績はごく一部の議員にとどまる。外部とのやりとりを防ぐためインターネット通信が認められず、使い勝手.....
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 衆院のペーパーレス化を進める観点で解禁されたタブレット端末の利用が低調だ。昨年11月から全ての委員会で質問者、答弁者とも使えるようになったが、実績はごく一部の議員にとどまる。外部とのやりとりを防ぐためインターネット通信が認められず、使い勝手の悪さが足かせになっているようだ。菅政権がデジタル化を推進する傍らで、立法府は苦戦が続く。[br][br] タブレットの解禁は与野党が申し合わせた。それまで内閣委員会のみで許された使用を各委員会に拡大。多くの議員は質問を紙で用意し、提示する資料も委員会で配ることが多いため、タブレット使用による経費節減や審議効率化が期待された。[br][br] 解禁直後、与野党の一部若手・中堅が質疑で利用。今国会でも、国会改革に積極的な小泉進次郎環境相は紙の資料を持たず、タブレットを演台に立てて答弁する場面はあったが、質疑全体で見れば数えるほどしかない。[br][br] 利用者の一人、立憲民主党の本多平直氏が「決定的にまずい」と指摘するのは、通信機能の使用禁止だ。質疑の関連資料やデータをネットワーク経由で参照するクラウドサービスが使えず、タブレットの利点を生かせなかったという。昨年11月に試行した後は、紙の資料による質問に戻した。[br][br] 通信機能を使うと、外部から答弁や質問内容の指示が可能となり、審議が形骸化するとの懸念がある。一方、今でもメモの差し入れや口頭での指示は少なくない。内閣委で初めてタブレットを試行使用した当時の委員長で、自民党の牧原秀樹氏は「デジタル化の時代で、国会だけが取り残されかねない」と取り組みの遅れに警鐘を鳴らした。 卓上に置いたタブレット端末(左下)を使い、質問する立憲民主党の本多平直氏=2020年11月、国会