天鐘(4月27日)

天下分け目の関ケ原の戦い。全国の大名が東西に分かれて相対した。勝利を収めた東軍の総大将・徳川家康は、名実ともに覇権を握る。265年にわたる江戸時代の幕開け、戦乱から泰平の世への転換点となった▼史上最大の野戦に至るまでには、数々の攻城戦があっ.....
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 天下分け目の関ケ原の戦い。全国の大名が東西に分かれて相対した。勝利を収めた東軍の総大将・徳川家康は、名実ともに覇権を握る。265年にわたる江戸時代の幕開け、戦乱から泰平の世への転換点となった▼史上最大の野戦に至るまでには、数々の攻城戦があった。石田三成が率いる西軍は京都から戦線を拡大。伏見城、田辺城、大津城を舞台にした戦いは、まさに多勢に無勢。圧倒的な兵力でこれを制したが…▼予想外の苦戦で目算が狂う。足止めされ、手勢を減らし、最終決戦に間に合わなかった武将もいた。関ケ原の戦いはわずか半日で決着。小早川秀秋らの裏切りが決定打とされるが、前哨戦が及ぼした影響も大きかった▼衆院議員の任期満了は10月。半年以内に必ず総選挙を迎える。前哨戦とされた三つの衆参補選・再選挙は、自民党の全敗だった。痛手を負った与党、勢いづく野党。来るべき政治決戦へ思惑が交錯する▼大臣執務室で賄賂? 地方議員を現金で操る? 北海道と広島の選挙は金権疑惑が発端である。加えて、首相が国民に深く頭を下げた3度目の緊急事態宣言。「政治とカネ」「コロナ」という逆風は必然だったか▼首相の初陣に突き付けられた厳しい審判。伝家の宝刀である解散権も、今や封じられた感すらある。今回は表立った応援を控え、戦陣の奥にとどまっていたようだが。戦略の練り直しは容易でない。