【ミャンマー情勢】国軍総司令官、統治に自信 ASEANで「正統性」アピール

 24日、ジャカルタでの東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議に合わせ、ミャンマー・ヤンゴンでクーデターに抗議する若者ら(AP=共同)
 24日、ジャカルタでの東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議に合わせ、ミャンマー・ヤンゴンでクーデターに抗議する若者ら(AP=共同)
ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官が24日、東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議に出席した。国際舞台を利用して軍政の「正統性」を誇示し、承認を得たと国内外にアピールする算段だ。クーデターからわずか3カ月弱での外遊は、国内.....
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 ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官が24日、東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議に出席した。国際舞台を利用して軍政の「正統性」を誇示し、承認を得たと国内外にアピールする算段だ。クーデターからわずか3カ月弱での外遊は、国内統治への絶対的な自信の表れ。対する民主派は独自の政府を発足させ、一部の若者は武力闘争も辞さない構えを示す。[br][br] ▽盤 石[br] ミン・アウン・フライン氏を乗せた航空機は24日午前、ジャカルタ郊外の空港に到着した。普段の軍服ではなく、濃紺のスーツ姿。赤いじゅうたんの敷かれたタラップを下りた。[br][br] 2011年から国軍トップに君臨。国軍内には派閥をつくらない慣行があり、立場は盤石とされる。外交筋は「『暴徒』による混乱を抑え込めているとの自覚がある」と指摘。出席の目的は「国際社会に承認されたと内外に示すことだけだ」と分析する。[br][br] 人権団体によると、23日までに国軍の弾圧で745人が殺害された。軍法会議で死刑判決を出したり、抗議を呼び掛ける著名人の指名手配を繰り返したりし、あらゆる手法で抑え込みを図る。全土で一時数百万人が参加した大規模デモは姿を消した。[br][br] ▽抵 抗[br] 今も続くのは少人数による散発的なデモだ。そうした中、一部の参加者は武装闘争を模索する。[br][br] 「民主主義を回復し、独裁を打倒できるのは武力だけだ」。取材に応じた男性(25)は言い切った。当初は平和的なデモに徹していたが、国軍の弾圧が激しさを増すにつれ、考えを変えざるを得なかったという。[br][br] デモで火炎瓶やゴム銃など手製の武器を使用したこともあった。だが重武装の治安部隊にかなうわけはない。国軍と敵対する少数民族武装勢力と接触していると認め、軍政に対抗して民主派でつくる連邦議会代表委員会(CRPH)から「闘争開始」の許可を待っていると明かした。[br][br] ▽二つの政府[br] CRPHは少数民族と共闘し、独自の「連邦軍」創設を目指す。さらに「挙国一致政府(NUG)」の発足も宣言した。民族や宗教を越えた連帯をうたい、国際社会に認知を求める。23日付の声明では「国民の正統な代表」として、首脳会議参加の準備があると表明。「殺人者」のミン・アウン・フライン氏を招くべきではないと訴えた。[br][br] 「二つの政府」が併存する状況に、国軍は神経をとがらせ、NUGの「閣僚」らを最高刑が死刑の反逆罪に問うとして、逮捕状を発付した。[br][br] デモは激減したものの、NUGを支持する市民は多く、反国軍の意志を示すため職務を放棄する「不服従運動」は続いている。経済への打撃は深刻で、世界食糧計画(WFP)は今後半年間で最大340万人が飢餓に直面すると警告した。(ヤンゴン、バンコク共同) 24日、ジャカルタでの東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議に合わせ、ミャンマー・ヤンゴンでクーデターに抗議する若者ら(AP=共同)