天鐘(4月25日)

桜前線は1日に約25~35キロの速さで日本列島を北上するという。いつもより早かった今年の“花のリレー”は青森を過ぎ、間もなくゴールの北海道・稚内や釧路へ到達する▼「桜なら、まだ7~8分咲き」。テレビでそう言っていたのは競泳のヒロイン・池江璃.....
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 桜前線は1日に約25~35キロの速さで日本列島を北上するという。いつもより早かった今年の“花のリレー”は青森を過ぎ、間もなくゴールの北海道・稚内や釧路へ到達する▼「桜なら、まだ7~8分咲き」。テレビでそう言っていたのは競泳のヒロイン・池江璃花子さんだ。白血病から見せた驚異の回復力。あきらめていた東京五輪の切符をつかんだ。ほほ笑みながら「メダルを取ったら満開かな」▼奇跡の復活劇に、本人と一緒に泣いた方も多かったろう。この人の頑張りを見ていると、晴れの舞台に立たせてやりたいと切に思う。だがその五輪は今、再び深い霧の中だ。コロナの感染が止まらない▼「予定通りの開催」は、わずか4分の1。直近の世論調査結果は五輪に厳しい。折しも今日から4都府県に3度目の緊急事態宣言である。小池百合子知事の「東京に来ないでください」とのメッセージは何とも皮肉だ▼1年前の今ごろ、今は我慢の時、延期になった五輪に、この「貸し」は来年に返してもらおうという趣旨を小欄に書いた。開催まで既に後3カ月。感じるのは政府の対策の手詰まり感ばかりである▼桜前線と同じく3月に出発した聖火リレーは九州へと入った。密にならずに、その様子は配信で…。高揚感に包まれるはずのイベントも向かい風の中にある。いよいよのカウントダウン。祭典の火はめでたくゴールできるのだろうか。