【ワクチン接種】接種歴管理で新システム導入

 新型コロナワクチン接種記録に関する新システム(VRS)のイメージ
 新型コロナワクチン接種記録に関する新システム(VRS)のイメージ
政府は、4月12日から始まる高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種に合わせ、住民の接種記録に関する新たなシステム(VRS)を導入する。住民に配布する接種券(クーポン券)にあらかじめバーコードなどで住民情報を記載。接種時にデータを読み取り.....
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 政府は、4月12日から始まる高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種に合わせ、住民の接種記録に関する新たなシステム(VRS)を導入する。住民に配布する接種券(クーポン券)にあらかじめバーコードなどで住民情報を記載。接種時にデータを読み取り、接種が済んだことを確認する。1人が一定間隔で計2回打つ異例のワクチン事業で、接種歴を管理し円滑に進める狙いだ。[br][br] 子どもらへの通常の予防接種などでは注射後、多くの自治体が紙に記録した情報を基に電子データ化しているのが実態。1回接種すると、作業に2~3カ月かかる例もあることが背景にある。[br][br] 国家的なプロジェクトとして、2回の接種が必要な米ファイザー製ワクチンを住民一人一人に正確に打っていくには、接種状況を迅速に捉える必要がある。システムにより一元的に接種情報を管理することで、国が全体の進行状況をほぼリアルタイムで把握できる。[br][br] システムでは、市区町村が見られる情報と国がつかめる情報が違うのが特徴。自治体は、住民の接種の有無に関する個人情報などを確認できる。2度目の接種前に別の自治体に引っ越しても、前の自治体で発行された接種券を確認し、システム上で転入処理をして新たな接種券を発行する。[br][br] 前の自治体の接種券がなくても、住民の同意を得られればシステムにアクセス。個々人に割り振られたマイナンバー(個人番号)を基に接種情報を検索し、対応できる。[br][br] 2回接種の間に引っ越しするケースはそれほど多くないとみられるものの、政府はマイナンバーを使うことで「間違いが起きない」(平井卓也デジタル改革担当相)と意義を強調する。[br][br] 国のシステム利用に関しては、住民の個人情報にはアクセスしないとしている。各自治体が何人の人に接種を済ませたかを統計的に把握するだけという立場だ。[br][br] システムの仕組みに関し、自治体側はあらかじめ対象住民の氏名や生年月日、一人一人に付与されるクーポン券の番号、マイナンバーといった情報を登録。クーポン券には券番号や「接種済み」かどうかを示す情報がバーコード化されるなどしている。国が配布したタブレット端末で読み取るとそれぞれのクーポン番号でひも付けされ、誰がいつ、どんなワクチン(現状はファイザー製のみ)を打ったかが分かる。[br][br] 接種を巡り国の方針変更や修正が相次ぐ中、自治体はクーポン券発送や医師や看護師らの確保、会場ごとのワクチン配分などの準備を急ぐ。接種の現場では、予診や副反応への対応も迫られる。新システムとは別に、厚生労働省が主導するワクチン発注、配送を管理するシステムもある。自治体の負荷は大きく、混乱の懸念は拭えない。 新型コロナワクチン接種記録に関する新システム(VRS)のイメージ