【東京五輪の聖火リレー】大阪市で中止の方向 危ぶまれる「完走」

 東京五輪聖火リレー今後の日程とまん延防止措置が適用される府県
 東京五輪聖火リレー今後の日程とまん延防止措置が適用される府県
東京五輪の聖火リレーは、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用される大阪市でのリレーが中止の方向となった。新型コロナ禍での、長丁場のイベントへの懸念が早くも現実になった形で、関係者からは「聖火リレーすらできないのに、本番はで.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 東京五輪の聖火リレーは、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用される大阪市でのリレーが中止の方向となった。新型コロナ禍での、長丁場のイベントへの懸念が早くも現実になった形で、関係者からは「聖火リレーすらできないのに、本番はできるのかと思われかねない」との声が漏れる。急速な感染拡大は「第4波」の様相。今後も大阪と同様のケースが続く可能性があり、7月23日の五輪開会式までの「完走」が危ぶまれている。[br][br] ▽ダメージ[br] 大阪府の吉村洋文知事、大阪市の松井一郎市長が相次いで同市内でのリレー中止の意向を示したことを受け、丸川珠代五輪相は2日の閣議後の記者会見で「理にかなった検討だ。大阪府民にも納得いただける対応を取ってもらいたい」と冷静に述べた。大会組織委員会幹部は「地元の意向を尊重することが大事」と強調。柔軟な対応を印象づけ、大会本番へのダメージを最小限に抑えたい考えだ。[br][br] 組織委は当初から緊急事態宣言や不要不急の外出自粛要請が出ている地域では公道でのリレーを取りやめることを対策に明記した。[br][br] ランナーによる走行が中止されても、ランタンに入れられた聖火は次の出発地へ運ばれ、リレー自体が途切れることはない。組織委担当者は「安心安全が最優先。火を絶やさずに運ぶ趣旨には沿っている」と説明するが、全国を一筆書きで巡るリレーが大阪で途絶える印象は拭えない。大阪市でリレーが予定されていた14日はちょうど五輪開幕100日前。低調な大会機運を高めるせっかくの機会も失うことになる。[br][br] ▽ドミノも[br] 首都圏の緊急事態宣言が3月21日までで解除され、聖火リレーは同25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)を出発。各地で感染リスクがある沿道の混雑などが指摘されながらも「結局、日本人は五輪が好き」(大会関係者)と、おおむね聖火は好意的に迎え入れられていた。ただ、ここまでの感染急拡大は想定外で、再び五輪ムードは暗転しつつある。[br][br] 今後、聖火を迎える自治体も警戒感を強める。今月21、22日に実施する愛媛県は、急激に感染が拡大すれば組織委との調整が必要になるとの見方を示す。5月11、12日に行われる福岡県の担当者も「市民の行動に一定の制限がある中での実施は難しいと判断したのだろう」と大阪側の立場を代弁した。[br][br] 今後、聖火リレー実施予定の地域でもリバウンド(感染再拡大)の恐れは拭えず、重点措置が適用される自治体が相次ぐ可能性もある。関係者は大阪を端緒にした「中止ドミノ」を懸念する。 東京五輪聖火リレー今後の日程とまん延防止措置が適用される府県