河野太郎行政改革担当相は12日の記者会見で、米ファイザー製の新型コロナウイルスのワクチンについて、6月末までに約1億回分(約5千万人分)を調達できるとの見通しを表明した。欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週、最大約1千万回分が日本に到着し、6月は「5月を上回る供給」を見込む。全高齢者約3600万人分を6月末までに市区町村に届ける方針も重ねて示した。4月中旬の医療従事者接種から1瓶当たり6回打てる特殊な注射器が使用可能とした。[br][br] 欧州での増産を踏まえ、7月以降の本格化が想定される一般向け接種へ調達計画が前進した格好だ。厚生労働省はアナフィラキシー症状など副反応の分析を加速させる。[br][br] 高齢者接種の後は65歳未満の基礎疾患のある人を優先し、一般向け接種へ移行する。河野氏は「自治体の接種スピードに合わせて次の優先順位に移っていく」と述べた。政府関係者は「人口の少ない地域は、早い段階で一般向け接種開始が可能だ。全自治体でいつ始まるかは見通せない」と強調した。[br][br] 河野氏の説明によると、ファイザー社との交渉の結果、3、4月に最大200万回分(1瓶当たり6回で計算)ずつ供給が増える。3月に約230万人分、4月に約610万人分が供給される見込み。3月15日に第5便として約42万回分が到着する。[br][br] 医療従事者約480万人分は5月10日の週に全員が2回接種できる量の配送が終わる。高齢者接種は4月12日に開始。5月9日までに計約460万回分を届け、6月末までに完了する。5月上旬以降の配送量は自治体要請に応じて傾斜配分する考えだ。[br][br] 注射器に関しては、4月12日から配送する医療従事者向けの1回目の接種以降、1瓶6回打てる特殊なものを使用する段取りだ。高齢者向け接種も6回用注射器を確保次第、順次移行する。ファイザー製ワクチンは通常の注射器で1瓶5回、特殊な注射器なら6回接種できる。[br][br] 河野氏は高齢者による接種当日のキャンセルに備え、事前に予約日以外で接種可能な日時を聴取する対応を自治体に求めた。接種時に、住民持参の接種券を読み取るタブレット端末は、1万台を追加し計5万1千台を今月下旬から送る。