中国で5日、第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が開幕しました。[br][br] Q 全人代とは何ですか。[br][br] A 日本の国会に相当します。中国の憲法上は最高の国家権力機関とされますが、実際は共産党の指導下にあり、党の政策を追認する「ゴム印」とやゆされています。年1回、通常は3月に2週間程度開く会議で、首相による政府活動報告があるほか、予算案を承認したり、法律を制定、改正したりします。5年ごとに中期経済目標「5カ年計画」を採択します。[br][br] Q メンバーは。[br][br] A 議員に当たる代表は約3千人で、任期は5年です。全国の直轄市、省、自治区、特別行政府、軍などから共産党が管理する選挙で選ばれます。議長に相当する常務委員長は、党最高指導部メンバーが務めます。会議が開かれない期間は常設機関の常務委員会が審議などに当たります。[br][br] Q 最近の全人代では何が決まりましたか。[br][br] A 2013年は当時の胡錦濤こきんとう国家主席の後任に国家副主席だった習近平共産党総書記、温家宝首相の後任に李克強副首相をそれぞれ選出しました。18年には憲法を改正し、国家主席と副主席の連続3選禁止の任期規定を撤廃しました。昨年は香港への国家安全法制の導入方針を決定しました。常務委がその後、香港での反政府活動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)を制定しました。[br][br] Q 今回の焦点は。[br][br] A 香港で共産党体制に批判的な民主派などを排除するため、香港トップの行政長官や立法会(議会)議員の選挙制度を見直す見通しです。5日は李首相の政府活動報告があり、21年の国内総生産(GDP)成長率目標を「6・0%以上」に設定すると表明しました。新たな中期経済目標「第14次5カ年計画」と、35年までの長期目標の詳細も発表されました。[br][br] Q 今後のスケジュールは。[br][br] A 最終日の11日に香港の選挙制度見直しに関する決定案などを採択し、政府活動報告や中長期の経済目標、21年の予算案を承認して閉幕します。その後、首相が記者会見するのが恒例です。