【Q&A】ゴーン事件、「主役」不在の裁判へ

元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(66)のレバノン逃亡を手助けしたとされる米国籍の親子が米国から日本へ引き渡され、東京地検特捜部が逮捕しました。 Q そもそもゴーン被告の事件とは。 A 報酬を隠したとする金融商品取引法違反と、資金の私的.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(66)のレバノン逃亡を手助けしたとされる米国籍の親子が米国から日本へ引き渡され、東京地検特捜部が逮捕しました。[br][br] Q そもそもゴーン被告の事件とは。[br][br] A 報酬を隠したとする金融商品取引法違反と、資金の私的流用などで日産に損害を与えたとする会社法違反の事件があります。特捜部は2018年11月以降、被告を計4回逮捕しました。この間に1回保釈されましたが、海外メディアを中心に長期勾留への批判的な論調が目立ちました。2回目の保釈は19年4月でした。[br][br] Q 裁判はどうなったの。[br][br] A 準備中の19年12月31日、日本脱出が明らかになり、世界に衝撃が走りました。20年1月、レバノンで記者会見を開いたゴーン被告は、日本の刑事司法を非難することで逃亡の正当化を図ろうとしました。日本側は、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて身柄拘束を求めていますが、レバノン側が応じる可能性は低く、日本で裁判を開くのは難しい状況です。 [br][br] Q 手助けした米国籍親子の引き渡しはなぜ実現できたの。[br][br] A 多くの国は、他国で犯罪を行い、逃げ帰った自国民を引き渡さないルールを定めています。しかし、日本は米国と犯罪人引渡条約を締結しており、親子の身柄について、米国務省や裁判所が引き渡しを認めました。レバノンとはこうした条約を結んでいません。[br][br] Q これから親子はどうなるの。[br][br] A 特捜部が取り調べを進め、犯人隠避罪などで東京地裁へ起訴する見通しです。「主役」のゴーン被告が不在のまま、行動を共にした親子の裁判が始まることになりますが、逃亡劇の詳細がどこまで明らかになるのかは未知数です。仮に実刑となった場合は日本の刑務所に収容されますが、国際受刑者移送法に基づき、米国で服役させる可能性もあります。