【ハンター記者体験記】(3)活用 臭みなく食べやすい鹿肉

記者がレシピサイトを見ながら作った鹿肉料理
記者がレシピサイトを見ながら作った鹿肉料理
狩猟解禁直後の11月2日以来、獲物が捕獲できずにいた記者らのチーム。この1週間も全く成果が出ず、最初の1頭は完全にビギナーズ・ラックだったことが証明されてしまった。足跡は多数あり、わなも丁寧に隠したが、見回り結果を報告するグループラインには.....
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 狩猟解禁直後の11月2日以来、獲物が捕獲できずにいた記者らのチーム。この1週間も全く成果が出ず、最初の1頭は完全にビギナーズ・ラックだったことが証明されてしまった。足跡は多数あり、わなも丁寧に隠したが、見回り結果を報告するグループラインには「今日もいない」「残念」とのメッセージが連なる。もはや山の神様の気まぐれに頼るしかない。[br][br] 言い訳ばかり書き連ねるわけにもいかないので、獲物の活用について紹介したい。先日捕獲したニホンジカは現地で解体し、背ロース、肩、もも、首の部分から肉を取った。熟練すれば内蔵やバラ、すねも取れるが、経験年数の浅いチームでは限界がある。[br][br] 捕獲した獲物を放置することは、鳥獣保護管理法で禁止されている。手間の掛かる作業だが、皮や骨、内臓などはスコップで穴を掘って埋め、手を合わせた。県外では鹿革製品に加工する例もあるようで、頂いた命を無駄なく活用できるよう、研究してみたい。[br][br] 野生鳥獣肉に対し、「臭みが強い」「固い」とのイメージを持っている人もいると思うが、フランスでは「ジビエ」と呼ばれ、食文化として根付いている。肉の質は「止め刺し」後の処理に大きく左右され、血抜きや解体の処理を適切にすればおいしく食べられる。[br][br] 初の獲物は、ロースをステーキに、ももをトマト煮込みにした。料理はそれほど得意ではないが、スマホでレシピを見ながら作った2品はまずまずの出来。若いメスのシカだったこともあって臭みは感じず、繊維が細かく食べやすかった。[br][br] 注意したいのが、E型肝炎ウイルスや寄生虫による食中毒だ。シカ刺しなどの生食は避け、十分加熱して安全に味わいたい。[br][br] 野生動物の農作物被害が全国的に広がる中、国は鹿肉やイノシシ肉の活用を推進しており、“害獣”が資源として見直されつつある。飲食店などで提供できるのは処理施設でさばいた肉のみで、三八地域でも多くの人が山の恵みを楽しめるようになれば、地域振興につながるのではないかと期待している。記者がレシピサイトを見ながら作った鹿肉料理