操業開始時期は不透明 再処理工場の完成前提/むつ・中間貯蔵合格

新規制基準の審査に正式合格した使用済み核燃料中間貯蔵施設=2017年10月、むつ市
新規制基準の審査に正式合格した使用済み核燃料中間貯蔵施設=2017年10月、むつ市
リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)が新規制基準に適合していると認められた。しかし、受け入れた燃料の搬出先は不透明なままで、そもそも核燃料サイクルの根幹をなす再処理事業が動いていない状況にある。RFSが今後示す.....
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 リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)が新規制基準に適合していると認められた。しかし、受け入れた燃料の搬出先は不透明なままで、そもそも核燃料サイクルの根幹をなす再処理事業が動いていない状況にある。RFSが今後示すとしている施設の具体的な操業時期は、六ケ所村にある再処理工場の完成時期に左右されそうだ。[br][br] 中間貯蔵施設で保管する使用済み燃料は当初、六ケ所再処理工場に続く「第2再処理工場」で扱う予定だった。だが、2011年の東京電力福島第1原発事故で原子力を取り巻く状況が一変。第2再処理に関する国の検討は停滞し、エネルギー基本計画にも明記されなくなった。[br][br] 14年、RFSの久保誠社長(当時)は施設の操業時期に関して「六ケ所の進み具合によって状況は変わる」と説明していた。[br][br] 六ケ所再処理工場とむつ中間貯蔵の操業時期の整合性について、青森県の三村申吾知事は今年9月の定例会見で「RFSの動向を注視する」と述べるにとどめたが、中間貯蔵事業の前提が再処理事業の確立であることを踏まえれば、操業時期の連動は必然と言える。[br][br] 現在の操業開始見込みを「21年度」と示したのは17年12月。RFSは今回の正式合格を受けて本格化する安全対策工事の詳細設計認可(設工認)の審査が終わった後、実現可能な操業時期を明らかにする方針だ。[br][br] RFSの赤坂吉英常務は11日の取材に「(六ケ所の)操業時期を見ながら考えることはあるかもしれないが、今は設工認を大事にしていきたい」と言葉を選んだ。新規制基準の審査に正式合格した使用済み核燃料中間貯蔵施設=2017年10月、むつ市