八戸西高ナインの「甲子園出場」夢後押し 八戸高等支援学校「リサイクルボール」活動

痛んだボールをビニールテープで巻き、修繕する八戸高等支援学校のリサイクル班(左)と八戸西高野球部(右)=11日、八戸高等支援学校
痛んだボールをビニールテープで巻き、修繕する八戸高等支援学校のリサイクル班(左)と八戸西高野球部(右)=11日、八戸高等支援学校
10月の秋季東北地区高校野球大会で初の8強入りを果たすなど着実に力を付け、悲願の「甲子園出場」を目指す、青森県立八戸西高硬式野球部。躍進の裏には縁の下の力持ちの応援があった。県立八戸高等支援学校(八高支、大崎光幸校長)は、同部の練習で傷んだ.....
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 10月の秋季東北地区高校野球大会で初の8強入りを果たすなど着実に力を付け、悲願の「甲子園出場」を目指す、青森県立八戸西高硬式野球部。躍進の裏には縁の下の力持ちの応援があった。県立八戸高等支援学校(八高支、大崎光幸校長)は、同部の練習で傷んだボールを修繕する活動を1年前から続ける。手掛ける「リサイクルボール」は1週間で実に100球以上。猛練習を支える“応援団”が、ナインの大きな夢を後押しする。[br][br] 「障害のある子どもたちにとって、誰かの役に立てる仕事や集中してできる作業はないか」[br][br] ボール修繕を通した交流は、同部の監督で八高支に勤務する小川貴史教諭(37)の発案。生徒たちが活躍する場を設けたいとの一心で、3年前、当時勤務していた県立むつ養護学校の教え子と同部の部員たちを結んだ。同校では現在、地元の県立大湊高硬式野球部と同様の交流をする。[br][br] 八高支では、小川教諭の赴任を機に2019年度に活動を開始。校内で中心となるのはリサイクル班の23人で、傷んだボールをビニールテープで修繕する作業を週3日行う。「傷んではリサイクル」の行程を繰り返し、ボールは両者の間を何度も行き来する。[br][br] この“キャッチボール”について小川教諭は「部の練習に生きていることはもちろん、八高支の生徒たちにとっても野球部の活躍がやりがいにつながる。互いに支え合うことができている」と強調する。[br][br] 八戸西高の開校記念日だった11日は、野球部員44人が日頃の感謝の気持ちを込めて八高支を訪問。普通科の生徒141人と共に畑作業などに汗を流した。[br][br] ボール修繕も体験した。部員たちは、リサイクル班にテープの巻き方のこつを教わりながら「リサイクルボール」を作成した。[br][br] 1年の三浦滉斗投手(15)は「いろんな人の支えがあって野球ができていることを再確認できた。丁寧にボールを使っていきたい」と力をもらった様子。2年の宮﨑一綺主将(17)は「感謝の気持ちを胸に、可能性が残されている来春のセンバツに向けて、練習を続けたい」と意気込んだ。[br][br] 八高支の生徒たちも交流を喜んだ。1年の小貫晃輝さん(15)は「これからもボール修繕を続ける。野球部にはさらなる活躍を見せてほしい」とエールを送った。[br][br] 八戸西高は野球部のほかにも、スポーツ科学科が年1回、八高支とスポーツイベントを行うなど、10年以上前から交流を続けている。八高支の大崎校長(57)は「同年代とコミュニケーションが取れることは本校の生徒にとって貴重な経験。必ず将来に生きるはずだ」と力を込めた。痛んだボールをビニールテープで巻き、修繕する八戸高等支援学校のリサイクル班(左)と八戸西高野球部(右)=11日、八戸高等支援学校