高校生の採用選考が解禁 新型コロナで1カ月遅れのスタート

来年3月卒業予定の高校生を対象とした企業の採用選考が解禁され、ユニバースは初日から採用試験を実施した=16日、八戸市のユートリー
来年3月卒業予定の高校生を対象とした企業の採用選考が解禁され、ユニバースは初日から採用試験を実施した=16日、八戸市のユートリー
来年3月に卒業する高校生を対象とした企業の採用選考が16日、全国一斉に解禁され、青森県内でも採用試験が行われた。本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校期間が長引いたことを受け、例年より1カ月遅れのスタート。県内の高校生の求人倍率(8.....
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 来年3月に卒業する高校生を対象とした企業の採用選考が16日、全国一斉に解禁され、青森県内でも採用試験が行われた。本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校期間が長引いたことを受け、例年より1カ月遅れのスタート。県内の高校生の求人倍率(8月末現在)は1・91倍で依然として高水準だが、コロナ危機で苦境に立つ飲食・サービス業などは求人数が大幅に減少した。生徒は企業選択の判断材料となる職場見学の機会も乏しく、十分な準備や心構えができないまま、例年と様変わりした就職活動に臨んでいる。[br][br] 青森労働局の8月末現在の集計によると、高卒予定者で就職を希望しているのは2829人。このうち県内就職の割合は64・3%(1818人)で、前年同期を1・3ポイント上回っている。5月15日時点の調査では、進学希望者の割合は67・5%で1・7ポイント増えており、本年度は県内就職と進学を志望する傾向が強まった。[br][br] 一方、8月末現在の県内の求人数は3470人で、前年同期より1078人少ない。生徒数の減少や進学希望者が増加した要因もあって求人倍率は1・91倍と高いが、過去最高だった前年の2・25倍を0・34ポイント下回った。産業別求人の減少率は、宿泊・飲食サービス業が73・7%減、製造業が39・0%減、卸売り・小売業が24・7%減となった。[br][br] こうした新型コロナの余波は、生徒の進路選択に少なからず影響を及ぼしている。県立八戸商業高では、バス会社やホテル、アパレル系の求人が低調で、全体の求人数は例年より1~2割ほど減った。第1志望の企業が採用活動を控えているため、他社に切り替えた生徒も数人いるという。[br][br] 進路指導部主任の阿部靖彦教諭は「今年は採用選考が1カ月遅くなったが、生徒に動揺がないように対応している。1カ月間の猶予を生かし、試験に向けた準備を進めてきた」と話す。[br][br] 製造業や建設業の求人が多い県立八戸工業高では、生徒の進路動向に大きな変化は見られないが、進路指導部主任の中居隆悦教諭は「生徒が志望していた地元企業から求人が出なかったケースがあった」と説明。「首都圏の企業を中心に職場見学が行われず、就職先を選ぶ材料も例年より少ない」と影響を指摘する。[br][br] 県南地方の県立高校に通う3年の男子生徒の父親は「2年時までは東京での就職も考えていたが、感染拡大後は家族で相談して進学に切り替えた」と明かす。[br][br] 採用選考が解禁された16日、スーパーのユニバース(八戸市)は同市のユートリーで採用試験を開催。本年度は感染予防対策として2日間に分散し、17日にも実施する。約40人を予定する高卒の採用枠に対し、両日の受験者は計34人。今後、追加募集を行う方針だ。[br][br] 初日は青森、岩手両県の生徒18人が筆記試験と面接に臨んだ。人事教育部の箱﨑真也・人材開発グループチーフは「スーパーは内食需要が高まっていることもあり、コロナ下でも例年並みの採用枠を確保した。活力ある若い人に働いてもらうことも地元企業としての使命だと思う」と語った。来年3月卒業予定の高校生を対象とした企業の採用選考が解禁され、ユニバースは初日から採用試験を実施した=16日、八戸市のユートリー