アカイカ、加工原料の可能性探る 八戸水産高試作の缶詰を試食

アカイカの加工品を味わう試食会の出席者=13日、八戸市の「浜市場・みなとっと」
アカイカの加工品を味わう試食会の出席者=13日、八戸市の「浜市場・みなとっと」
八戸いか釣漁業協議会(谷地源士郎会長)は13日、八戸市湊町の直売施設「浜市場・みなとっと」で、青森県立八戸水産高(福嶋信校長)が試作した、国内では珍しいアカイカの缶詰の試食会を開いた。出席者の評価は良好で、同校は寄せられた意見を元に今後も改.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸いか釣漁業協議会(谷地源士郎会長)は13日、八戸市湊町の直売施設「浜市場・みなとっと」で、青森県立八戸水産高(福嶋信校長)が試作した、国内では珍しいアカイカの缶詰の試食会を開いた。出席者の評価は良好で、同校は寄せられた意見を元に今後も改良を重ね、来年度中の製品化を目指す。[br][br] アカイカは国内の水揚げの大半が八戸港。漁獲低迷が続くスルメイカに代わる加工原料として漁業関係者の注目度は高い。半面、地元水産業界での活用度はいまひとつ。消費拡大の取り組みも急務とされている。[br][br] 同校はこれまでサバやイワシなどの缶詰を手掛けた実績を持つ。協議会は昨年にアカイカの軟骨、今年は胴体の部位を使った缶詰の製品化を依頼。学校側は今回、胴体を材料に、しょうゆ味とショウガ、唐辛子、2%食塩水の水煮と、4種類を試作した。塩分控えめで、色も薄めを心掛けた。[br][br] 試食した出席者からは「身が軟らかい」「缶詰なので時間の経過による味の変化を考慮することが必要」「水煮は料理向きでは」といった意見が出た。開発に当たった同校水産食品科主任の石塚善教諭は「生徒は課題研究や総合実習の時間を使って取り組んだ。まだ製品化の基本の段階。成分試験や缶のラベル製作なども考えていく」と述べた。[br][br] 協議会魚食普及委員会の岡沼明見委員長は「新型コロナウイルスの影響がある中でも、消費者に提供できる製品があるのではないか」と意図を強調。谷地会長は「製品をどう生かすか、これから戦略を考えていかないと」と話した。[br][br] 市水産事務所のまとめによると、大中型イカ釣り船による今季春夏漁のアカイカ水揚げは数量6444トン(前年同期比7%減)、金額23億6029万円(25%減)。数量は過去10年間で2番目で、昨季に続き6千トン台を維持。一方、金額は新型コロナ感染拡大に伴う需要減や、在庫が残っているなどとして伸び悩んだ。アカイカの加工品を味わう試食会の出席者=13日、八戸市の「浜市場・みなとっと」