交通系ICカード 導入検討/八戸市営バス、南部バス 

交通系ICカードの導入に向けた検討が進められている八戸市営バス(上)と南部バス=25日、八戸市
交通系ICカードの導入に向けた検討が進められている八戸市営バス(上)と南部バス=25日、八戸市
八戸市営バスを運行する市交通部と、「南部バス」事業を運営する岩手県北自動車(盛岡市)が、路線バスへの交通系ICカード導入に向けた検討を進めている。両事業者は共に八戸市内の路線で営業し、一部区間の共同運行や連携した上限運賃施策も展開しているた.....
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 八戸市営バスを運行する市交通部と、「南部バス」事業を運営する岩手県北自動車(盛岡市)が、路線バスへの交通系ICカード導入に向けた検討を進めている。両事業者は共に八戸市内の路線で営業し、一部区間の共同運行や連携した上限運賃施策も展開しているため、足並みをそろえて導入する見通し。公共交通機関は新型コロナウイルスの感染予防を背景に、非接触型のキャッシュレス決済のニーズが高まっている。スムーズな運賃支払いで利便性向上を図り、減少傾向にある利用者の増加につなげたい考えだ。[br] 市内の路線バスを巡っては、市が2016年3月に策定した「地域公共交通網形成計画」にICカードの導入を盛り込んで検討を重ねてきた。だが、導入には専用の車載機器やシステム改修などが必要になり、数億円が見込まれる経費の財源確保が課題だった。[br] 岩手県北自動車はかねて導入に積極的な姿勢を示しており、同社が属する「みちのりホールディングス」(東京)の松本順代表は、これまでの本紙取材に「利便性向上のためにICカードは必要になる」と説明。市営バスと一緒に導入できるよう、市に働き掛ける意向を明らかにしていた。[br] 今回、青森県が20年度一般会計補正予算案に関連予算5億1787万円を計上し、導入に向けた動きが大きく前進。「生活交通バスICカード導入推進事業」として八戸市交通部、岩手県北自動車、青森市交通部、JRバス東北の4事業者に補助する方向となった。[br] 県の補助率は経費の3分の1。各事業者は国からも3分の1の補助を目指し、残りは関係自治体からの支援も視野に入れながら、事業者が負担する枠組みとなる。導入を見込むICカードは、他の公共交通機関でも相互利用できる機能に、地域独自のサービスが付いた「地域連携型」の交通系ICカードとなる予定だ。[br] 八戸市都市政策課によると、市営バスは全118台への導入を検討。財源確保に向け、国の補助メニューや新型コロナ対策の臨時交付金を活用できるか調査を進める。豊川雅也課長は「市内を訪れるビジネス客も含め、ICカードを求める声はある。バスに乗りやすくなることで利用者の増加につながれば」と話す。[br] 一方、南部バスの対象台数は119台で、全路線への導入に向けて検討している。岩手県北自動車南部支社の高橋学支社長は「来年以降の早い段階で導入したい。八戸市などの関係市町村や国、県と協議を進めていく」と考えを示した。[br] ICカードの導入は、路線やダイヤ別の利用実績をデータ分析できるメリットもある。豊川課長は「正確なデータで利用動向を把握し、将来的な路線再編計画などに反映することも可能になる」としている。交通系ICカードの導入に向けた検討が進められている八戸市営バス(上)と南部バス=25日、八戸市