「負けない。」4兄弟ロックバンド・SatoMansion「多くの人に音楽を」

「新たな生活様式に合わせたエンターテインメントを考えなければならない」と語る佐藤和夫さん=9月上旬、二戸市
「新たな生活様式に合わせたエンターテインメントを考えなければならない」と語る佐藤和夫さん=9月上旬、二戸市
新型コロナウイルスの影響でライブの中止などが続く音楽業界。東京を拠点にする二戸市出身の4兄弟ロックバンド「SaToMansion(サトウマンション)」は、出演イベントが延期となるなどあおりを受けながらも、苦境に立ち向かう。ボーカルの佐藤和夫.....
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新型コロナウイルスの影響でライブの中止などが続く音楽業界。東京を拠点にする二戸市出身の4兄弟ロックバンド「SaToMansion(サトウマンション)」は、出演イベントが延期となるなどあおりを受けながらも、苦境に立ち向かう。ボーカルの佐藤和夫さん(33)は「生のライブの迫力は特別だが、新たな生活様式に合わせたエンターテインメントを考えなければならない」とし、3密を避けたライブやオンライン配信など思いを届ける方法を模索する。[br] 今年は大きな飛躍の年になるはずだった。1月に同市で開催した凱旋(がいせん)公演に続き、4月には東北最大級の野外音楽フェス「ARABAKI ROCK FEST(通称・アラバキ))」(宮城県)の出演を控えていた。オーディションでグランプリを獲得し、悲願のメインステージで演奏予定だった。[br] だが、アラバキは来年へ延期。ほかにもさまざまなイベントが中止となるなど、勢いを奪われた。[br] 活動を制限される中で始めたのが、ここ数年注力してきたユーチューブでのライブの配信や、ネット中継で寄付を募る「投げ銭ライブ」だった。8月末には、東日本大震災から10年の節目を前に岩手県大船渡市で単独野外ライブも行い、観客を県民限定とし感染予防策を施して、被災地応援ソング「明日を」などを披露した。[br] ライブの様子を全国のファンに届けるため、DVDの制作費をクラウドファンディングで募り、目標を超える支援があった。[br] 一方で、ライブでは多くの観客を動員できない状況が続く。今月19日にはイベントの入場制限が緩和されたものの、大きな歓声が想定されるロックコンサートは、定員の50%以内に限定されたままとなっている。[br] 厳しい現状にも歩みを止めないのは、これまでの活動で培った信念があるからだ。もともとは兄弟で別のバンドを組んでいたが、「4兄弟でやって成功しなかったら辞めよう」と2015年に結成した同グループ。あまたのバンドがひしめく東京でもまれるうちに、「良い楽曲を作るのは当たり前。たくさんの人に聴いてもらう方法を考えなければ」と実感した。[br] ステージの熱気を多くの人に感じてもらうため、新たに検討しているのが人数制限のあるライブと、オンライン配信の同時実施だ。[br] オンラインでは基本的に人数制限がないメリットがある一方、臨場感が薄まるため、どのくらいの人がお金を払ってくれるかは未知数。それでも、和夫さんは「生と配信を同時にやれば、以前よりも多くの人に音楽を届けられる“逆転ホームラン”の可能性がある」と力を込める。ロックの道を突き進む4兄弟の覚悟はコロナ禍にも揺るがない。[br]※随時掲載「新たな生活様式に合わせたエンターテインメントを考えなければならない」と語る佐藤和夫さん=9月上旬、二戸市