「悩み1人で抱えないで」コロナ禍、重要性高まる 若者の就労支援

就労を支援する、はちのへ若者サポートステーションの活動。コロナ禍で支援の重要性が増している=9月上旬、八戸市
就労を支援する、はちのへ若者サポートステーションの活動。コロナ禍で支援の重要性が増している=9月上旬、八戸市
新型コロナウイルスの感染拡大によって、働くことに悩む若者への支援の重要性が増している。雇用情勢の悪化に加え、外出機会が減るなど新たな生活様式の広がりで、助けを求める声が届きにくくなることが懸念されるためだ。厚生労働省の委託で、引きこもりなど.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大によって、働くことに悩む若者への支援の重要性が増している。雇用情勢の悪化に加え、外出機会が減るなど新たな生活様式の広がりで、助けを求める声が届きにくくなることが懸念されるためだ。厚生労働省の委託で、引きこもりなど悩みを抱える若者の就労支援に取り組む、八戸市の「はちのへ若者サポートステーション」の石橋ゆり子総括コーディネーターは「社会との関わりを失い、不安を感じている自分を追い詰めないでほしい」と相談窓口の利用を呼び掛ける。[br] 新型コロナは、青森県内の雇用情勢に深刻な影響を及ぼしている。青森労働局によると県内の有効求人倍率(季節調整値)は5月が0・93倍で、4年3カ月ぶりに1倍を下回った。最新となる7月も0・92倍と厳しい状況が続く。[br] 社会的自立を目指す若者は、時間をかけて段階的に働くことに慣れていくため、雇用環境の悪化が就職をより難しくする。[br] 15~49歳を対象とする同ステーションには、利用者や家族から「就職の選択肢が減るのではないか」といった心配の声が寄せられている。2年以上パートとして働いていた“卒業生”が、コロナ禍を引き金に将来を悲観して仕事を辞めた例もあったという。[br] 新型コロナは支援活動にも暗い影を落とす。4、5月の緊急事態宣言発令中には各種講座の休止を余儀なくされたほか、職場体験事業の受け入れ先探しが難航し、現在も協力事業所が例年より少ないままだ。[br] 一方、相談することで、不安を和らげる利用者もいる。9月上旬、支援を受ける男女7人が生活リズムを整えるため、地域のごみ拾いや、市十三日町の同ステーション屋上にある農園でピーマンや赤ジソの収穫に汗を流した。[br] 今年4月から通う女性(23)は「職場体験先が少ないのは大変」としつつも、「『コロナのせいで特殊』という状況を受け入れられるのは強みかもしれない。できることを着実にやるだけ」と前を向いた。[br] ただ、雇用情勢の悪化にもかかわらず、相談件数は目立った増加傾向を示していないという。関係者が懸念するのは、悩みを打ち明けられない人たちが潜在的に増えることだ。[br] 石橋総括コーディネーターは本人ばかりでなく、家族の相談が支援に結び付く場合も多いことを指摘。「社会が変化しても、変わらずに安心して話せる場があること、あなたを大切に思う人がいることを知ってほしい」とまずは相談することの重要性を訴える。[br] 同ステーションへの相談は無料で予約制。開所は月~土曜の午前10時~午後6時(祝日を除く)。問い合わせは、はちのへ若者サポートステーション=0178(51)8582=へ。就労を支援する、はちのへ若者サポートステーションの活動。コロナ禍で支援の重要性が増している=9月上旬、八戸市